1998年8月21日(金)
【戦士鍛錬場:井上 貴志・栗原 慎】
「やっぱり俺が強えーみたいやな」
「まだ気が早いて」
水分補給をしながら発した井上 高志の言葉に、栗原 慎が突っ込みを入れた。ここは午前中の戦士鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。先日18期戦士の序列が気になった井上は18期戦士全員に採用試験時と同じように全員シャッフルで模擬戦を行い、ランキングを決めないかと提案する。提案時には多少の賛否両論があったが、最終的には実施するという流れになり、本日から始めることになった。ただし、本日電車でGO部隊は探索を行っているので、橋下 正と野口 啓子、岩田 千絵は本日は参加していない。ここまで数回模擬戦を行い、その全てに井上は勝利しているが、まだ他にも全勝者はいる状況なので、井上が最強かの判断は時期尚早というものである。
「慎は負けたんだっけ?」
「わかってて聞くかね。特別な週間部隊の森川さんに負けた。結構敵わなかった」
軽く聞いてきた井上の質問に栗原はため息混じりに答える。先程戦った森川戦で、ほぼ良いところなく完敗したのである。森川の実力が高いということもあるが、格闘スタイルの栗原の戦い方が広レンジ戦を得意とする森川との相性が悪いこともあるのであろう。おそらく今後も何かしらの対策を行わないと森川には勝てない気がしている。
「じゃあ次行くかね」
「おう、負けんなよ」
こう言いながら2人は立ち上がり、模擬戦場所へと向かう。今回井上はイナバウアー部隊の佐々木 裕司と、栗原はギンガマン応援部隊の遠藤 有美と戦い、2人とも模擬戦には勝利することができた。