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1999年7月19日(月)

【VIP:外口 デニム・菅原 泰造・平塚 治樹】
「デニムはめちゃくちゃ上手に見えるけどなあ」
「見かけ倒しですいませんねえ」
 思いっきりミスショットをした後で菅原 泰造に声をかけられた外口 デニムは苦笑いしながら返事を返した。ここは14時を過ぎた時間のアミューズメントビル『VIP』。たくさんの若者たちが各階でそれぞれ楽しく遊んでいる最中である。外口と菅原、平塚 治樹は午前中は戦士鍛錬場で過ごし、午後からビリヤードをやろうという話になったので、ランチを食べた後で『VIP』に集合したのである。この3人は19期の部隊のカードキャプター部隊とウィンドウズは98部隊、桃の天然水ヒューヒュー部隊の隊長であり、戦士としての実力も高いので、いつも良く一緒に模擬戦を行っている。その結果だけを見ると、強い順に菅原→外口→平塚という並びになるのであるが、ビリヤードの実力だと平塚→菅原→外口の順番となる。ちなみにこの3人は全員年齢が異なっており、外口が20、平塚が21、菅原は22歳である。
「最後まで行けるかな」
 ミスショットをした外口の次の順番である平塚はまず5番球を落としたので、残るは6番球と8番球、9番球である。配置的には順番に9番まで落とせないこともなさそうなので、ここはきちんと決めたいところだ。
「まず6番と」
 6番球を確実にサイドポケットに落とし、白玉は良い感じに8番球の近くに転がっていく。
「8番も問題なし」
 こう言って8番球を落とす。予定では9番球を落とせる1番良い場所に白玉を転がすはずだったが、力が少し弱かったらしく、中途半端な場所で白玉が止まってしまう。
「ワンチャンミスれ!」
「ミスするに500ペリカ」
 少しだけ難しそうな配置になったので菅原と外口が9番球が落ちないことを祈ったが、2人の声には全く動揺せず、冷静に9番球を落とした平塚がこのゲームを制したのである。

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