2024年11月12日(火)《GB》
《霧が出ている世界は幻想的なので結構好きなのですが、車の運転には結構邪魔ですね。安全運転》
【AXIS:富田 正継・前田 綺羅・大塚 陽菜・富田 水無】
「そういえば今日は朝から霧っぽくなかったね」
「昨日は結構白かったからね」
食後の紅茶を楽しみながら前田 綺羅が言葉を発し、それに大塚 陽菜が返事を返した。ここはゲーム&喫茶『AXIS』喫茶部。お昼過ぎの時間であり、そこそこの人数の客が来店している。富田 正継と前田、大塚は午前中の鍛錬の後一緒に帰宅しており、そのままここでご飯を食べることにしたのである。ちなみに富田の家はここの2階、大塚の家はここの3階、前田の家は県道337号戦を挟んだお向かいの建物の2階である。
「何か人吉地方って11月は20日ぐらい霧が出るらしいよ」
「ハッキリしない天気なんだね」
昨日のニュースで仕入れた情報を大塚が話し、それに富田が感想を口にする。この言葉に前田と大塚は少し違和感を感じたが、特に反応せずに軽くスルーする。すると富田が続けて言葉を発する。
「でもまあ霧が出たからって色々考えてもキリがないからね」
この言葉を聞いて、前田と大塚は先程のハッキリという言葉がキリを掛けていたことを確信する。あまりにもつまらない富田の言葉に突っ込むことも忘れているようだ。ただ富田は2人の静かな対応が少し悲しくなり、また言葉をつぶやく。
「痛、なんか胃がキリキリしてきた」
たたみかける富田であるが、こうなるともう突っ込みたくても突っ込めない気配になっている。何かこのテーブル周辺が異様な雰囲気に包まれ、無言の時間が過ぎていく。すると先程から話の流れを聞いていた富田 水無が兄のフォローにやって来て、口を開いた。
「お兄ちゃん。お兄ちゃんがつまらないことばっかり言ってるから綺羅ちゃんと陽菜ちゃんがキリキリまいだよ」
良かれと思って声をかけた水無だったが、変な空気を助長する結果となってしまい、気まずそうにその席から離れていく。また無言の時間になってしまったが、それを打破すべく前田と大塚が仕方なく言葉を発する。
「まーくん。話がウケなかったからっていちいちウジウジしない。キリっとしなさい」
「そうよまーくん。そうすれば私たちもスッキリするから」
こう言われた富田はこの言葉通りに元気を取り戻し、右手を挙げて水無を呼びつけた。
「コーヒーおかわり。キリマンジャロで」
ドヤ顔でこう話した富田を呆れた顔で見つめていた水無は大きなため息をついた後で厨房に歩いていくのであった。