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2025年2月10日(月)《GB》
《有村さんが書いている小説。いつか実際に書いてみたい気もしますが、他に書くものが多すぎて無理》
【AXIS:有村 藤花・澤口 恭平・富田 水無】
「へー、私が主人公なんだ」
「俺も藤花さんもいるんだね」
自分のスマホに送られたメールを見ながら富田 水無が言葉を漏らし、その後で澤口 恭平も感想を口にした。ここはゲーム&喫茶『AXIS』喫茶部。夕方過ぎの時間であり、店内には常連客が数人のんびりとした時間を過ごしている。午前中は鍛錬を行った有村 藤花は、冒険者組織書籍部に寄った後で一旦家に帰る。そして今朝まで書いていた小説を富田のスマホに送信したのである。そして富田の仕事が終わる17時に合わせて『AXIS』に向かう。そして店内に入ると相変わらず澤口が待ち構えており、笑顔で手を振ってきたので大きくため息を吐いた後で同じテーブルの反対側に座った。そして飲み物を頼んでしばらく他愛のない会話をしていると、富田の仕事が終わったので合流したのである。最近有村が小説を書いていることは富田も知っており、ある程度書けたら読ませて欲しいと前々から話をしていた。そしてスマホを見ると、有村から小説を記載したメールが届いていたので、じっくりと読み込んだのである。また、この状況で澤口が読みたいと言わないはずもなく、澤口のスマホにも小説を転送したのだ。
「デストロイヤーか・・・。どんな能力なのかな」
「俺ちょっと鬱陶しすぎやしませんか?」
読んだ後で自分の職業について口した富田の言葉の後で、あまりにも小説の中の有村にちょっかいをかけ続ける自分のキャラクターについて澤口が苦言を述べる。実際は現実でも澤口の有村へのちょっかいはこのレベルなのだが、自分ではそこまで認識していないようである。
「とりあえずまだ序盤だからね。これから物語が進展するし、他のキャラクターもいっぱい出す予定だよ」
紅茶を口にしつつ有村がこう述べた後で、小説の中の違和感を富田が1点指摘する。
「ところでなんで恭平くんは5つも年上になってるの?」
これを聞いて有村は少し考えた後で返事を返す。
「最初は1つ下の年齢で進めてたんだけど、なぜかこっちの方がしっくりくるんだよね。理由は自分でもわからない」
この言葉を聞いて富田は理解できないという表情を浮かべたが、澤口はなぜか納得したような笑顔を浮かべ、コーヒーを口に運んだのである。