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1996年10月8日(火)《BN》

【戦士鍛錬場②:高宮 大輔・三島 邦夫・小林 みゆき】
「高宮くんは剣筋が綺麗だよね。安定してる」
「ありがとうございます」
 休憩中に教官の小林 みゆきに声をかけられた高宮 大輔は笑顔で返事を返した。ここは戦士鍛錬場②。本日は2次試験の6日目である。2次試験も残すところ本日と明日の2日間であり、金曜日には合格発表が行われる。現時点で戦士のランキングは上位こそポイント差が大きいが、合否ラインの15位近辺は非常に僅差で数名がひしめき合っている状況だ。このように上位以外の受験者にとっては気が抜けない状況が続くが、上位のメンバーについてはある程度余裕を感じる状況である。現在高宮のランキングは1位であり、2位の時田 梨愛とはある程度の差が付いている。そしてそのすぐ下の3位に三島 邦夫付け、4位と5位が明石 愛純と岩谷 勤という状況になっている。
「小林さん。おいらはどうですか?」
「三島くんも3位だからね。動きは悪くないわよ」
 自分も評価をして欲しくて三島が声をかけ、それに小林は返事を返す。高宮の実力は少し抜けているが、その次位につけるメンバーたちの評価は団子状態であり、ランキング的に2位から7位ぐらいまではほとんど変わらないような印象を受けるのである。もちろん受験者によって得意不得意があるので、攻撃は見事だけど防御がからっきしだったり、防御の動きは素晴らしいけど、攻撃がへっぽこだったりする者もいる。その中で三島は攻撃も防御も及第点であり、戦士として普通に評価できる実力はもっているのだ。
「良し、気合が入った。大輔、追いつくからな」
「おう、追いつけるものなら追いついてみい」
 少し気合の入った三島の言葉に高宮が返事を返したタイミングで休憩時間が終わったので、2人はたちあがって次の模擬戦場所へと移動していくのであった。

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