1999年9月28日（火）

【AXIS：水井　華代・井口　咲江・坂野　幸美・原田　公司・富田　さやか・富田　剛】
「あ、いらっしゃい。お好きな席へどぞー」
　お昼過ぎの店内に富田　さやかの声が響いた。ここはゲーム＆喫茶『AXIS』喫茶部。今日は客も少なく落ち着いた雰囲気となっている。午前中は魔術師鍛錬場で一緒に鍛錬を行っていた水井　華代と井口　咲江、坂野　幸美の3人は、鍛錬後に一緒にご飯を食べようという話になり、『AXIS』にやって来たのである。
「私ちょっと一服してくるね」
　テーブルに座って注文を終わらせた後で、水井はこう言葉を述べて席を立つ。そして店の入り口から出て行った。喫茶部には喫煙所がないので、タバコを吸うには隣のゲーセン部に行くしかなく、水井はゲーセンの扉を開けて中に入る。すると店長の富田　剛の姿が見える。
「お疲れ様です。喫煙所借ります」
「どぞー」
　声をかけて喫煙所の方向に歩いていくと、軽く返事を返される。何かに集中しているようであるが、何をしているかは良く分からない。
「あ、水井さんお疲れー」
「原田さん。お疲れ様です」
　喫煙所に着くと、そこには一服している原田　公司の姿があった。原田も鍛錬の後でここにやって来ていたらしい。
「原田さんはもう昼ごはん食べたんですか？」
「いや、先に一服してからと思ってたんで、これ吸い終わったら食べようと思ってる」
　タイミング的に食事はまだだと予測した水井の質問に、原田は予想通り食べてないと返事をする。
「じゃあ一緒にどうですか？同期の咲江と幸美と一緒に来てるんですけど」
　こう質問された原田は一瞬頭を悩ます素振りをする。一緒にご飯を食べるのは構わないが、その2人のことはあまり知らないからである。でも同じ冒険者ではあるし、断るのもあれなので一緒にご飯を食べることにした。
「ところで今日は本田と一緒じゃないの？」
「何か今日は大塚さんと一緒に何かするって言ってましたよ。そもそも本田さんと一緒ならスロット一択なので、咲江と幸美とは来てません」
　質問に対して笑顔で答える水井がタバコを吸い終わるのを待って、2人は一緒に喫茶部に移動するのであった。