2000年2月8日（火）

【南地区レストラン：諸岡　和隆・宮代　隆博・嵐　一朗・辻井　冬実・根木　真季子・若本　尚人】
「たぶん次は解除できると思うー」
「それが本当なら次からボス戦だな」
　食後のレモンティーを飲みながら辻井　冬美が発した言葉を聞いて、諸岡　和隆が真剣な表情を浮かべて返事を返した。ここは『南地区レストラン』。お昼過ぎの時間であり、店内は冒険者や職員たちがたくさん訪れている。もののけ姫部隊のメンバーは午前中第一迷宮地下7階を探索しており、ある程度の戦果を持ち帰っている。その中でボス部屋扉の罠解除についてはまだ成功しなかったのであるが、次回ぐらいには成功できるという感触を持っているのである。
「地下7階のボスって何だったっけ？」
「知っとけや。ペケだよ」
　マニュアルに記載してある内容なので、確認はしているはずだがド忘れした嵐　一朗の言葉に、宮代　隆博が少し強めに突っ込みを入れる。ペケは額に×マークがついている人型の亜獣であり、1対1で戦うタイプである。とてもパワーがあり、攻撃をまともに喰らわないようにとの記載がされている。
「ボス戦に入るとまた暇になるなあ」
「いやいや、頑張って応援しましょ」
　魔術師の若本　尚人が思わず漏らした言葉に根木　真季子が笑いながら声をかける。第1迷宮のボス戦は戦士だけが行うものなので，後衛3職種である罠解除士と僧侶，魔術師はその間することがなく退屈になるのだ。ただボス戦に関しては地下1階から地下6階までもずっとそうだったので，仕方がないと割り切ってもいるのである。
「とりあえず来週解除出来ればいいな」
　こう諸岡が口にしたタイミングで、何となく解散の雰囲気になる。そこで諸岡が伝票を持って立ち上がったので、それに残りのメンバーも続いたのであった。ちなみに先程第1迷宮のボス戦は戦士だけで行うと記載をしたが、実際は地下10階のボスだけは全員で戦うタイプなのでここに補足をしておく。