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2024年9月14日(土)《GB》

《若い頃は先輩とか後輩とか結構気にしますけど、歳を重ねると気にならなくなりますね。気楽で良い》
【道:高山 学・工藤 清次・竹内 舞子・石井 稜・藤井 穂奈美・中尾 静馬】
「では来週からよろしくな」
「わかりました。しばらくはヘルプします」
 軽く肩を叩かれながら高山 学から声をかけられたので、中尾 静馬は静かに返事を返した。ここは居酒屋『道』。土曜日ということもあり、黒髪てへトリオ部隊のメンバーを含め、たくさんの客が所せましと宴会を行っている。秀知院学園生徒会部隊のメンバーと中尾も先程飲み会を開始しており、数人が2杯目を注文した状況である。秀知院学園部隊は魔術師の新熊 芽衣奈が失踪したことに伴い、部隊から魔術師がいなくなったので、ヘルプの魔術師を誰かに依頼することにした。そして誰にしようかといろいろ検討した結果、最終的には中尾に依頼することにしたのである。秀知院学園部隊は全員が63期であり、本来であれば同期のメンバーに声をかけるのであるが、実は63期の他の冒険者は全員引退しているため、1つ下の期で尚且つ探索進度が早い中尾に声をかけたのである。この誘いを中尾は快諾してくれたので、本日はその祝いとして飲み会を行っているのだ。
「静馬くん後輩だからって遠慮しなくていいからねー」
「あ、大丈夫っすよ。いつものことなんで」
 入隊期も年齢も1つ下になることを気にしないように気遣った竹内 舞衣子の言葉に対して、中尾は笑顔で返事を返す。中尾が所属する黒髪アッカーマン部隊のメンバーは4人が60期で2つ年上、1人が62期で1つ年上である。今回一緒に探索するメンバーは63期なので、中尾からすると普段よりも年齢も期も近くなるのである。ただ、アッカーマン部隊のメンバーは元々幼馴染の集合なので、年齢の差による気遣いはあまり感じない。ただ、もともと中尾はあまり先輩後輩に対して気を使う性格でもないので、心配は無用であろう。
「そうなんだ、じゃあ気楽に飲みましょう。今日は学くんの奢りだからね」
「え?そうだったっけ。まあいいけど」
 年下であることを中尾があまり気にしないことがわかって、藤井 穂奈美が優しく声をかけた言葉を聞き、高山が返事を返す。別に今日の飲み会の支払いについて割り勘とか誰が払うとか決めてはいなかったはずなのだが、自分が払うのであれば、まあそれはそれでと納得した。この後は秀知院部隊の現在の探索状況などの話を中心に盛り上がり、22時を過ぎたあたりで飲み会を終了することにしたのである。この後、竹内と藤井は帰宅の途についたが、男性陣はまだ飲み足りなかったらしく、街までタクシーで移動し、遅くまで飲んだとのことであった。

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