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1999年6月24日(木)

【熊大第1迷宮:ターンエー期待十分部隊】
「ターンAターン、ターンAターン、ターンA〜♪」
「まだ油断しちゃだめだよ」
 後ろから聞こえてきた柳田 勇一の歌声を聞いて、山平 僚子は少し厳し目に注意の声を上げた。ここは熊大第1迷宮。ターンエー期待十分部隊は本日初めての探索を行っており、亜獣と3回遭遇、殲滅を繰り返した後、出口に向かって移動している最中である。気持ち的には探索はもう終わっているのであるが、出口を出るまでが探索であり、戻る途中に亜獣と遭遇することも十分考えられるのである。なので、迷宮入り口から外に出るまでは緊張感を切らすことは冒険者として御法度なのである。ちなみに冒頭で柳田が口ずさんでいたのは∀ガンダムのオープニングである“ターンAターン”である。
「まあ出口までに亜獣はいなそうですけどね」
 少しピリっとした雰囲気になったので、堀越 希巳江がおそらく出口までの間に亜獣と遭遇することは無いことを報告する。とはいえ、罠解除士の亜獣探知も絶対では無いので、急に亜獣から驚かされるようなことも警戒しておかないといけない。
「すまんす。油断してたす」
 素直に柳田が謝罪の言葉を述べ、それを聞いて部隊の全員が気を引き締め直す。結果、迷宮の出口に着くまでの間に亜獣と遭遇することはなく、このまま探索は終了することになる。
「じゃあちょっと行ってきます」
 無事に全員が迷宮から退出した後で堀越がレア物質を回収場所へと提出に行く。この間残ったメンバーは武器防具や体調などの最終チェックを行い、レア物質提出が終わったタイミングで本日の探索業務の全てが終わるということになるのだ。
「では無事に初回探索終わったから、一緒にご飯いきましょうか」
「了解でーす」
 この後の予定についての山平の提案を全員が了承する。そしてこの後は全員着替えと軽いシャワーを済ませて『南地区レストラン』へと向かうのであった。

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