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1997年2月13日(木)《BN》
【戦士鍛錬場:大島 清吾・宮崎 桃・飯島 桜・和田 光一郎・安藤 正敏・島田 笠音】
「いやー、俺飯島ちゃんから本命チョコとか貰ったらもう死んでもいいよ」
「飯島ちゃん。こんな事言ってるから本命チョコあげてよ。止めは俺が刺すから」
休憩中にふと視線に入ってきた飯島 桜を見つめながら和田 光一郎が漏らした言葉を聞いて、安藤 正敏が大きな声でこう言葉を発した。ここは午前中の戦士鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。本日13期の>>1さん部隊と遊びは終わりだ部隊は合同で鍛錬を行っており、先程まで模擬戦を行っていたが、現在は休憩中である。明日はいよいよバレンタインデーであり、男性陣はチョコレートをもらえるかどうかドキドキの1日を過ごすことになる。もちろん去年の状況は知っているので、義理チョコがたくさんもらえるであろうことは想像に難くないが、気持ちの込もった本命チョコをもらえるかもしれない期待感はどうしても男心をくすぐるのである。そしてその相手が冒険者組織1番の可愛さを誇る飯島であれば、それこそ天にも昇る気持ちであり、そのことを和田は死んでもいいと表現したのである。
「何?私がもし和田さんが好きになったとして、本命チョコあげたら死んじゃうの?」
「死んでもいいということは死ななくてもいいんですよ。日本語の不思議」
仮定の話を面白おかしく話す飯島に対して、そのようなことはあり得ないとわかっていながらも、もしそうだった場合の対応について和田が返事を返す。
「どちらにしろあげないけどねー」
可愛らしい笑顔を浮かべながらこう話す飯島を見て、思わず胸がときめく和田と安藤は、気持ちを落ち着かせるために視線を外す。するとその視線の先には島田 笠音がいた。
「島田ちゃんでも死ねるな」
「お前は節操がないのか」
思わず本心が漏れた和田に対して、安藤はかなり呆れた感じで突っ込みを入れる。先程まで飯島の話をしていたのに、今度は急に島田に方向転換しているのだ。こうなるとここにいるもう1人の女性の存在が気になる。
「ちなみに桃ちゃんだとどうなるの」
「うーん。嬉しいけど死にはしないかな」
質問した安藤の言葉に、和田は悩みながら返事を返す。今までの一連の会話を静かに聞きながら、大島 清吾は結局のところ和田は宮崎 桃から本命チョコをもらうのが1番平和なのだろうと結論づけたのであった。