2024年10月7日(月)《GB》
《右足の親指に激痛が走り、いよいよ痛風か?と思いましたが爪起因のようです。巻き爪っぽい》
【罠解除士試験場:楠本 千佐・熱田 千幸・伊達本 真理】
「本来であれば、次は指先ではなくて手のひらの上に光球を発現させる鍛錬になります」
指先に光球を発現させる課題をすでにクリアしている楠本 千佐と熱田 千幸からの質問に対して伊達本 真理が返事を返した。ここは罠解除士鍛錬場。本日は71期2次試験の4日目である。先週の段階で課題をクリア出来ていたのは熱田1人であったが、先程楠本が光球発現に成功したので、現在罠解除士の課題クリア者は2名となっている。課題をクリアした2名は、基礎体力を鍛えるように指示を受けるが、聞いた話によると罠解除士は特殊な能力を用いて亜獣の位置を探知したり、迷宮内に存在する罠を解除するらしい。まさかそれが課題の指先球だけで出来るとは思えず、今後は何か別の能力を発現させる必要があると考えたのだ。そこで、そのことを教官の伊達本 真理に質問すると先程のような答えが返ってきたのである。
「指先が出来たから手のひらも出来そうだけど」
「そう簡単じゃないんだよ」
手のひらを上に向けて楠本が集中してみせるが、それを見て伊達本が笑顔で返事を返す。実際にこの後普通に手のひら球を発現させようとすると数ヶ月の時間がかかる。もちろん以前は実際に時間をかけて手のひら球を発現させていたが、現在は能力解放を行うことにより、その期間は短縮されるのである。それもあり、指先球合格者が手のひら球発現の鍛錬を行うのはあまり意味がないことであり、とりあえず必要な基礎体力作りを行うのだ。
「千佐ちゃんちょっと休憩しようか」
「賛成です。喉が渇いたー」
大きく息を吐いた後で熱田が言葉を発し、それを聞いた楠本が笑顔で了承の意思を表す。この後2人は休憩用のベンチに移動し、水分補給を行いながらゆっくりと体の疲労を回復させるのであった。