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2025年2月1日(土)《GB》
《私はあまりサンドウィッチ食べませんが、この物語には良く出てきます。しかもかなりレベル高いです》
【黒瀬邸:黒瀬 舞人・米満 唯花】
「熱は下がったみたい」
「良かった。安心した」
体温計の数値を見ながら黒瀬 舞人が言葉を発して、それを聞いた米満 唯花はホッとした表情を浮かべて返事を返した。ここは黒瀬邸。黒瀬と米満は昨日いつものように午前中は鍛錬場で鍛錬を行い、夕方からは立田山でトレーニングを行った。そしてトレーニング後は帰りしなにラーメン屋『麺から鱗』に寄ってつけ麺を注文する。そしてそれを食べた後で昨日は別れて帰ったのである。結構大盛りの量を食べた黒瀬は、トレーニングの疲労感と満腹感でかなりの睡魔に襲われる。多少フラフラしながらも自宅に帰りシャワーを浴び終わったところで体の異変に気づく。
「なんだこれ」
体の内側から何か燃え上がるような熱が発生しているのを感じる。このような感覚は生まれてこの方初めてである。今流行りのインフルエンザの可能性もあるので、一旦熱を測ってみると41度2分という今までに見たことがない体温だった。
「何かやばいかも」
こう考えながらとりあえず解熱剤を多めに服用し、いつもよりも厚着の状態でベッドに入る。こういう時は汗をかくだけかけば熱は下がる認識なので、このまま眠りにつくことにする。一応今の状況を米満にLineで報告はしておいた。
「チャイムが鳴ってる」
玄関のチャイムの音で目が覚めた黒瀬は体を起こして玄関に向かう。昨日に比べて体の調子はだいぶん上々のようだ。玄関を開けると米満が心配そうな表情で立っており、とりあえず中に入ってもらうことにする。そして体温計で体温を測ると、36.8度まで熱は下がっていたのである。
「お腹すいたな」
体調が戻った黒瀬が感じたのは空腹感であり、これを聞いた米満は思わず笑ってしまう。
「一応サンドウィッチは作って持って来たわよ。食べれる?」
黒瀬の好物を知っていた米満が自前でサンドウィッチを作って持ってきた。それを嬉しく感じた黒瀬はお礼を言った後、いただくことにする。
「あ、美味しい」
「良かった」
思わず黒瀬が漏らした言葉に米満は嬉しそうに返事を返す。米満は料理は得意であり、サンドウィッチも普段から良く作っている。ただ、黒瀬はサンドウィッチには結構うるさいので、その評価が少し不安だったのである。
「唯花はやっぱり料理上手だな」
こう言ってサンドウィッチをバクバク食べる黒瀬だが、何か思いついたように席をたち、戸棚から何かの瓶を持ってくる。
「たぶんこれにこれを塗れば完璧に美味しい」
こう言って黒瀬はサンドウィッチに今持って来た黒すぐりジャムを塗る。そしてそれを渡された米満はそれを食べてその味に感銘を受けるのであった。