1999年11月13日(土)
【道:前田 法重・中島 一州・原田 公司・大塚 仁・中尾 智史・本田 仁】
「ちなみに温かい味ロールを食べられたということでありますが、本田くんが以前、冷たい味ロールもまた美味しいと言ってました」
「言ってないですね。何すかその話」
調子良く話をしていた原田 公司の言葉を聞いて、本田 仁が不満げに返事を返した。ここは居酒屋『道』。本日もたくさんの客で店内は盛り上がっている。前田 法重と飲み仲間のメンバーたちもいつものように18時ぐらいから飲み始め、現在21時を少し回った時間である。11月10日に日本初の党首討論が国会で行われ、その席で民主党代表の鳩山 由紀夫さんが自分は今朝非常に熱いピザを食べたと話した後で、自民党の内閣総理大臣小渕 恵三さんに対して、朝は何を食べたのかを質問したのである。それに対して小渕さんは日本食の食事をしたと答え、合わせてアメリカの高官から冷たいピザもまたおいしいと聞いたことを話したのである。この話は国会中継以外でも話題になり、この冷めたピザという言葉は色々な場所で引用されることになる。先ほどここでの話題が最近の食生活についての話となり、そこから今日の朝ごはんの話になる。本田以外のメンバーは結婚しているので、基本的に朝は奥様の手料理を食べることになるが、本田は1人暮らしの上にあまり食事には興味がないので、今日の朝は家にストックがあった味ロールを温めて食べただけだったのである。この話から味ロールは温めた方が美味しいが、そのまま食べても美味しいという話になったのであろう。
「相変わらず本田は味ロール好きやな」
「別に好きなわけではないっす。何故かつい買ってしまうので家にストックがあるだけっす」
昔から本田の食生活についてはよく知っている大塚 仁が笑いながら話しかけ、その内容について本田は軽く否定した。確かに以前から良く食べるパンではあるが、別に好きというわけではないのである。この後は、各自で好きなパンの話になり、マンハッタンやチーズデンマークなどの定番の名称が出てくる中、何も思いつかなかった本田は仕方なく味ロールと答えたのであった。