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1996年12月25日(水)《BN》
【魔術師鍛錬場:本田 仁・高松 準也・島 可南子・東野 ひと美・高島 奈月・滝川 成子】
「うーん。平常運転だなあ」
「何かホッとしますね」
鍛錬場を見渡しながら本田 仁が発した言葉を聞いて、高松 準也も感想を述べた。ここは魔術師鍛錬場。本日もたくさんの魔術師が鍛錬を行っている。本日はクリスマスであり、予定がある人にはある程度忙しい日である認識だが、魔術師鍛錬場を見渡すと、いつもと同じ規模での鍛錬が行われている。ということはクリスマスが理由で鍛錬を休んでいるものがほとんどいないということになる。
「ホッとはしますけど、モヤっともしますね」
「せっかくのクリスマスなんですけどね」
少し考えながら島 可南子が漏らした言葉に高島 奈月も意見を述べた。現在ここに集まっている9期以前の魔術士たちであるが、なぜか全員現在恋人がいない状況である。出会いの機会はそれなりにあるはずなので、お相手がいないということは何かしらの理由があるのかもしれない。
「みんなはまだ若いんだからクリスマス楽しまないと」
今の状況を理解した後で本田が感想を述べる。若いからクリスマスを楽しんだ方が良いという意見は誠にそうであるが、今の状況からはもうどうしようもないのも確かである。
「本田さんもまだ若いじゃないですか」
「いやいや、わしはもうダメじゃよ、ゲホゲホ」
先程のセリフを聞いてまだ十分に若いと感じた高松の言葉に対して本田は謎の返事を返す。ある程度の年齢を重ねていれば違和感のないセリフであるが、この時点で本田はまだ25歳であり、他のメンバーとも2〜3歳しか変わらないのである。
「とりあえず今日のクリスマスパーティーを楽しみましょうよ」
こう言った後で東野 ひと美は瞑想に入る。これを見て他のメンバーたちも各々鍛錬を開始するのであった。ちなみに本日の17時から冒険者組織でクリスマスパーティが開かれることになっており、相変わらず超豪華な食事とお酒が用意される。恋人がいない冒険者たちはこのイベントに集って、仲間たちと楽しいひと時を過ごすことになるのであった。