1999年9月18日(土)
【道:前田 法重・中島 一州・原田 公司・大塚 仁・中尾 智史・本田 仁】
「では前田さんごちそうさまです。カンパーイ!」
「だから勝ってないって」
いつものように元気はつらつな原田 公司の乾杯の声を聞いて、前田 法重は呆れた表情で言葉を漏らした。ここは居酒屋『道』。本日もたくさんの客が訪れて、店内はほぼ満席状態である。前田と取り巻きのメンバーたちも、いつもと変わらず飲み会を開始し、いつもと変わらず飲み続けている。今日は朝からスロットを打つ約束をしており、車を出す本田がまず原田の自宅まで迎えにいき、そのあと前田と中島 一州を『道』の前で拾ってからパチンコ屋へと向かう。打つ場所は『大劇』長嶺店なので、のんびりと運転しながら向かうことにした。そこまで遠いわけではないので、程なく駐車場に到着し、車を降りて整理券配布に並ぶ。そして整理券をもらった後は、少し車で移動して『セブンイレブン』で食べ物や飲み物を購入したのである。この後はまた駐車場まで移動して、開店までの間は車の中で時間を潰す。もちろんこの間の話題は今日何を打つかや、勝った人が今日の飲み会を出すなどの事前協議も行われる。そして開店時間が近づいてきたので行列に並び、店員の指示に従って店に入店した。店内に入った後は全員がスロットコーナーに移動し、前田は“大花火”、中島と原田は“サンダー”、本田は“アステカ”の台を抑える。そして10時になると同時に遊戯を開始したのである。この後はほぼノンストップで17時ぐらいまで打ち続けたが、台的に設定が入ってそうだったのは中島のサンダーだけであり、最終的に勝ったのも中島だけであった。
「えー、大花火でチョイ負けだったら勝ちみたいなもんでしょう」
「意味わからんこと言うな」
奢りの話を続けるべく本田が言葉を発したが、前田が冷静に返事を返す。どの台を打とうが、負けは負けなので、自分が奢るのはおかしい話なのである。
「まあ別に俺らは自分の分は出しますよ」
「いつも結構奢ってもらってますからね」
ギャンブルを趣味としていない大塚 仁と中尾 智史がフォローの言葉を述べる。状況的に自分たちが奢るような状況は発生しないが、奢ってもらうことは良くあるからである。
「まあとりあえず飲もうよ」
飲み代の話はここまでにして、楽しく飲もうと中島が提案する。そしてこの後はいつものように閉店近くまで飲みに飲みまくり、みんな仲良く飲み代を支払って、各々家路に着いたのであった。