1998年5月30日(土)
【道:前田 法重・前田 雅美・中尾 智史・森下 翼・大島 清吾】
「あ、遅かったね。中尾君と大島君と森下君が待ってますよ」
前田 法重が入口を開けると、いつものように前田 雅美の明るい声が店内に響く。前田は左手を軽くあげ、合図を送ると、そのままいつもの席へと直行した。ここは居酒屋『道』。本日もたくさんの客が美味しいお酒と料理を求めて訪れている。先ほど声を上げた雅美は1996年に熊大第2迷宮の探索が終了した際に、富田 剛と一緒に引退している。そして、この居酒屋『道』を手伝う様になっているのだ。また、昨年無事に思い人と結婚し、前田姓になっている。
「前田さん。お疲れ様です。遅かったですね~前田さんが来ないのかと思って僕悲しくなってきてましたよ」
中尾 智史がそういいながら、前田の座る席に座布団を置き、迎え入れた。
「お疲れ様です~」
森下 翼と大島 清吾も前田が席に着くと同時に挨拶し、乾杯の準備をし始めた。
「あれ、他の奴らは?」
「一州さんと原田さんと本田さんと大塚さんは富田さんのところにいましたよ。そろそろ来ると思うんですが・・・」
中尾がそう言ったちょうどその時『道』の入口が開き、いつものメンバーがぞろぞろとやってきたのである。