2024年11月20日(水)《GB》
《日々自転車操業で何とか更新してますが、それ以外が出来てない。余裕が欲しい。よゆーって言いたい》
【熊大第6迷宮:体は剣で出来ている部隊】
「今日こそはクリアします」
「珍しく断定したな」
ボス戦を前に決意の言葉を発した判 紗理奈に対して上田 圭介が感想を口にした。ここは熊大第6迷宮。体は剣で出来ている部隊は本日も地下3階を訪れており、現在はボス部屋の前で作戦会議を行なっている。これまで何度もここのボスとの戦闘を行い、退却を繰り返しているが。前回の先頭では押している時間が長く、最終的に倒し切ることは出来なかったが十分な手応えを感じたのである。
「特に戦法も変えなくていいよね」
「うん。秀一と竹谷っちはガンガンいこうぜ」
魔術師の竹谷 友莉が戦法について質問し、それに上村 賢太が返事を返した。前回の善戦にもあるとおり、戦法に問題があるような点は見られない。ただ単に全員のレベルが少しずつ低いであろう点がクリアを阻んでいるのである。とはいえ戦法などと格好良いことを言っているが、要は戦士は突っ込んで僧侶と魔術師はガンガン攻撃魔法を唱えるという超攻撃的な戦闘を行なっているだけなのだ。
「準備が出来たなら行くよ」
全員に向かって判が声をかけ、それに隊員たちは頷きで返事を返す。そして次の瞬間上田が扉を蹴破って中に侵入した。
「私は炎の化身。この聖剣のチリにしてくれる」
いつものように定型分を口にしながらボスであるカタメが出現する。今日も手に持っている聖剣は絶好調に炎を噴出し続けているようだ。
「TNT爆発」
「無効」
まずは竹谷がTNT爆発、澤 秀一が無効の呪文を唱える。カタメがどのような能力を持っているのかについては完全には解明されておらず、まだ知られていない能力を持っている可能性もある。ただ、初手で僧侶が無効を唱えるのが定番となっているので、その能力を発現させることが出来ないのである。
「よし、いくぞ」
「了解!」
気合を入れた判の声に、上田と上村も元気に返事を返す。カタメの聖剣の影響で部屋全体が高熱になっているが、今までに何度も体験しているので我慢すればできないレベルではない。3人はカタメに向かって行き攻撃を続ける。
「TNT爆発」
「天罰」
竹谷と澤が攻撃呪文の連打を始める。これによりカタメに対して少しずつダメージを蓄積させることに成功する。
「グガガガガ」
天に向かって大声で叫んだカタメは発狂モードに入る。この発狂モードによって今まで何度も戦士が撃破されており、それが今までの敗北に繋がっている。しかし今日は発狂までにある程度のダメージを与えており、発狂後の動きがいつもよりもほんの数%ではあるが遅く感じるので、戦士3人は何とか相手をすることが出来ている。とは言え、全ての攻撃を無効化は出来ないので順番に離脱し、澤の回復を施してもらった後で再度合流するという動きを続けているのだ。こうして長く戦闘が続いたが、冒険者たちが敗北しない限り戦闘は終わらず、終わらないと言うことはカタメの敗北を意味するのである。
「見事だ冒険者たちよ」
敗北を悟ったカタメは聖剣を下に向け満足げな顔を浮かべる。そして剣の炎がカタメを覆っていき、そのままカタメは消滅した。
「お疲れ様でした。物質回収します」
勝利の喜びで上機嫌の声を上げながら四谷 博美が物質の回収に向かい、戦士3人はすれ違いざまにサムズアップで返事を返す。そしてそのまま回復を依頼しに澤の場所へと移動した。
「本当お疲れ様」
「順番に回復しますね」
労いの声を竹谷がかけた後で、澤が言葉を続けてダメージを喰らった戦士3人を順番に回復する。そして物質回収と回復が終わったタイミングで本日の探索を終えることを決め、迷宮を後にするのであった。