1999年8月14日(土)
【道:前田 法重・中島 一州・原田 公司・大塚 仁・中尾 智史・本田 仁】
「なんじゃい、カラオケ行ったんなら俺も誘ってくれれば良かったのに」
「いや、もう時間も遅かったので、さすがに誘えないっすよ」
昨日カラオケに行った話を聞いて原田 公司が思わず不満の言葉をもらし、それに本田 仁が返事を返した。ここは居酒屋『道』。土曜日でもあり、たくさんの酒好きが集まって来ている。前田 法重と取り巻きのメンバーたちもいつもの時間に飲み会を始め、すでに驚きの量のアルコールを消費している。今日は朝から前田と中島 一州、原田、本田は一緒にパチンコ屋『大劇長嶺店』にスロットを打ちに行っており、夕方まで遊戯した後黒髪に戻り、『道』にやって来ている。スロットを打っている時から思っていたことであるが、今日はいつも以上に本田が眠そうであり、現在の飲み会中もたまに寝落ちしそうになっている。そこで原田が本田にどうかしたのかと声をかけると、本田が昨日富田 剛と飲みとカラオケに行って朝5時まで歌っていたことを話したのである。
「昔ならともかく、原田さんももう結婚してますからね」
「流石に本田でも奥さんがいる人に、23時過ぎてから今から飲んでカラオケ行きましょうとは誘えないか」
遠慮した理由を本田が説明し、それを聞いた大塚 仁が思っていることを口にした。ここにいるメンバーは本田以外は全員結婚しており、昨日みたいにスロット後で急に飲みに誘うとなると富田以外の選択肢はないのである。ちなみに富田にも奥さんと子供がいるが、それはそれ、これはこれである。
「ところで話は変わるけど1つ報告があって」
昨日の話が一段落ついたタイミングで、前田が口を開き、何やらかしこまった感じなので全員が話すのをやめて意識を向ける。すると前田が口を開いた。
「実は子供が出来た」
この言葉を聞いて全員の時間が一瞬止まる。人はあまりにも嬉しい報告を聞くと思考回路が止まるものなのだ。静寂の後で思考回路が動き出したメンバーたちは次々に祝福の言葉を述べる。
「まじっすか。おめでとうございます」
「いやー、前田くんもいよいよ子供できたか。おめでとう」
「おめでとうございます!」
「めでたいなー」
「本当おめでとうございます」
全員からの祝福を受け、前田はその返礼としてジョッキのビールを一気に開ける。そしてこの後は祝福ムードの中、閉店時間まで楽しく飲み会を続けるのであった。ちなみに先程の祝福の中で1人だけめでたいなーと某キャラクターの声でお祝いを述べたのは言うまでもなく本田である。