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1999年10月12日(火)

【戦士鍛錬場②:河瀬 怜美・浦上 弓恵】
「トップ3が強いねー」
「ちょっと抜けてるかな」
 休憩時間中に水分補給をしながら発した河瀬 怜美の言葉を聞いて浦上 弓恵が返事を返した。ここは戦士鍛錬場②。本日は2次試験の6日目である。これまでにかなりの模擬戦を消化して来ているので、ランキング表に記載されているポイントも上位と下位でかなりの差が出来てしまっている。特に上位3名の点数は抜けており、3位と4位の間に大きなポイント差が出きている状況である。現在1位の欄に名前があるのが佐山 友也であり、2位が円 隆弘、3位に鹿野 光弘の名前が表示されている。ちなみに河瀬は現在6位であり、浦上は現在8位というランキングなのである。
「このままの順位をキープできれば合格になると思うけど、そうするともう1名誰にするか考えないとだね」
「出来れば私らより強い人が良いかな」
 戦士の合格人数は15名なので、このまま行けば合格できそうである。そこでそうなった場合について河瀬が言葉にし、それを聞いて浦上が願望を口にする。1つの部隊の戦士構成は3名なので、河瀬と浦上が一緒の部隊になるとして、戦士はもう1名必要となるのである。その1名についての希望として、自分たちより実力が上で、隊長を勤めてくれる人が良いという願望を持つことはおかしなことではない。
「4位が仁木くんで5位が吉成さんだから、この5人の内の誰かってことになるよね」
「5人だから3人3人で組めないよね。だから誰かあぶれるはず。合格したらお願いに行きますかね」
 自分の順位が6位なので、それより上のメンバーを再確認した河瀬の声を聞いて、浦上が考えを口にする。合格した場合、隊長を勤めてくれて、自分たちよりも実力が上の戦士と部隊を組みたい気持ちは2人とも共通しており、後はそのような人を探すだけとなっているのだ。
「じゃあ休憩終わるかな。頑張ってね」
「怜美もねー」
 休憩が終わる時間となったので、河瀬と浦上はベンチを立った後でお互いに声を掛け合い、模擬戦の場所へと向かっていくので合った。

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