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2025年1月9日(木)《GB》
《流石に寒いと思うのですが、真冬でも鍛錬は欠かせません。舞人くんはともかく唯花さんは厳しそう》
【立田山自然公園:黒瀬 舞人・米満 唯花】
「舞人くん私に何か隠していることない?」
「隠していること?あるかな」
隣に座っている米満 唯花から質問をされた黒瀬 舞人は少し考えた後で返事を返した。ここは『立田山自然公園』。本日も夕方ぐらいの時間からこの周辺で鍛錬を行っている黒瀬と米満であるが、黒瀬が限界まで体を鍛え抜いたので、現在は少し休憩中である。最近黒瀬は何か周りを気にするようなそぶりを多分に見せており、何か視線を感じるということは本人の口から聞いている。だがそれ以外にも何か違和感を感じているので、米満が質問してみたのである。
「特段隠していることはないよ。言う必要がなくて言ってないことはあるかもしれないけど」
まだ多少息が荒い黒瀬が正直な気持ちを述べる。恋人同士とはいえ自分のことを何でも全て話をしていると言うことは考えづらく、聞かれていないことをわざわざ話すことはない。ただ黒瀬的には話しておかなければいけないと思われる内容は全て話しているつもりなので、やはり隠し事はないとの結論になる。
「わかった。私は舞人くんを信じるよ」
優しい笑顔を浮かべて米満はこう言葉を返す。黒瀬の性格的に意図的に何かを隠しているとは米満も考えていない。であるならば信じるという選択になるのは自明の理である。
「もしかして言ってないかもしれないことは」
だいぶん息が落ち着いてきた黒瀬が言葉を漏らす。
「俺、セカンドチルドレンなんだよね」
「それは知ってた」
もしかして話をしてないかと思い、黒瀬が口にした内容は米満はすでに知っており、笑顔で返事を返したのである。ちなみに黒瀬は母親の島田 笠音が元冒険者なのでセカンドチルドレンに分類される。ただ、父親は元冒険者ではないので、正確にはハーフのセカンドチルドレンとなる。これに対して富田 正継や本田 隆などは両親共に元冒険者なので純血のセカンドチルドレンに分類されるのである。