1996年7月20日（土）《BN》

【道：前田　法重・中島　一州・原田　公司・大塚　仁・中尾　智史・本田　仁】
「そういえば今日は海の日ですね」
「海は広いな大きいなジャジャジャンウンミィジャジャジャンウンミィ ♪」
　思い出したように今日が海の日だということを口にした中尾　智史の言葉を聞いて、原田　公司がサザエさん火曜日オープニングのウンミィの歌を口ずさんだ。ここは居酒屋『道』。本日も酒好きがたくさん集まっており、店内は大賑わいである。前田　法重と合奏団のメンバー達も、周りの客に負けじといつものように大量のアルコールを消費している。本日7月20日は海の日という祝日であり、今年初めて実施されるものである。これまで7月には祝日がなかったので7月としては初めての祝日であり、これで祝日がない月は6月、8月と12月ということになる。ただ、祝日はないとはいえ8月と12月は子供たちにとっては夏休み、冬休みであり、大人にとってはお盆休み、年末年始休暇の時期である。したがって土日以外に完全に休みがない月は6月だけということになる。
「6月も祝日欲しいよね」
「理由が難しいっすね。梅雨の日？」
　祝日について中島　一州が言葉を漏らして、それに大塚　仁が返事を返す。6月に祝日を作るとして何の日にするかは非常に難しい。暦的に考えれば梅雨の日か夏至の日、あとは6月ということで結婚の日とかも少子化対策を考えれば良いかもしれない。
「何かドラえもんで6月に祝日を作るような話ありませんでしたっけ」
「ぐうたら感謝の日やね。俺も1日ぐうたらしたい」
　何かを思い出して中尾　智史が口にした言葉に、本田　仁が瞬時に返事を返した。これは日々仕事や勉強に頑張っている人たちに年に1度ぐらいぐうたらに過ごそうという祝日であるが、例によって問題が生じてこれを取り消し、休みだと勘違いした世の中の人たちが大混乱してしまうのである。