2025年1月7日(火)《GB》
《いよいよ周りの人もインフルエンザにやられています。俺はインフルごときには負けん!気持ちだけ》
【熊大第1迷宮:アーニャがんばるます部隊】
「それじゃあ動かしますよ」
こう全員に通達した後で、本田 隆は目の前にあるカエルの彫像を左側の台へと移動した。ここは熊大第1迷宮。アーニャ頑張るます部隊は本日も地下5回を訪れている。いつものようにエレベータを降りてすぐ隣にあるボス部屋の扉が開くかどうかを大塚 大吾が確認し、結構な時間がかかったが見事に罠の解除に成功したのである。その後は扉を原田 伸が蹴破って部屋の中へと侵入した。部屋の中はいつものように3つの扉があり、その扉の1つを開けると当然のようにカエルの彫像が鎮座していたのである。地下5階のボスは1対1で戦うタイプなので、戦士3人で話し合った結果、初戦は本田がたたかうことになったのだ。
「本田、俺の名を言ってみろ」
「知らねーよ」
ドサンピンと名付けられたボスが出現と同時に発した言葉を聞いて本田は軽く返事を返して両手剣を構える。そして一瞬の沈黙の後で戦闘が開始となった。さすがはボスというだけあってドサンピンの攻撃はかなり素早く強力である。ただ、それだけであれば、予知系で避けるレベルが高い本田がそう簡単に攻撃を喰らうはずはない。だがドサンピンの攻撃は動作が不規則であり、予知系の戦士にとっては天敵であると言っても過言ではないのだ。
「来い!おのれの無力さを思い知らせてやるわ!」
調子に乗ったドサンピンが生意気なセリフを吐いて煽ってくる。だがこの程度の挑発に乗る本田ではいので、冷静に戦闘を続けている。
「今の伸だったら危なくない?」
「うん、誰が無力じゃコラーって発狂してたと思う」
後方から戦況を眺めていた森下 蘭が発した言葉を聞いて、原田が正直な感想を述べる。そのやりとりを聞いて大島 凛と富田 水無は本田の戦闘中ということも忘れて不謹慎にも吹き出してしまった。
「そろそろかな」
多少の攻撃は喰らいながらも冷静にドサンピンの体力を削っていた本田は、そろそろ戦闘の終わりが来ることを予測する。ドサンピンの動きが明らかに遅くなり、肩で息をし始めているからだ。そしてほどなく本田の渾身の一撃を喰らったドサンピンは消滅を開始した。
「おわりだと、バカめえ、これがきさまの地獄行きの旅の始まりだあ〜」
良くわからない負け惜しみの言葉を発しながらドサンピンが消滅していく。これを見て本田は大きく息を吐いた。
「お疲れー。物質回収します」
後方から大塚の声が聞こえてこちらに向かってくる。それに本田はサムズアップを返して部隊の場所まで移動し、大島に回復を依頼するのであった。