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2024年8月31日(土)《GB》

《台風一過の青空が広がり、気温もそこまで高くなく過ごしやすい1日でした。秋が近づいて来たかな?》
【立田山:黒瀬 舞人・米満 唯花・島津 奏音】

「いやー、気合い入ってるなー」
 一心不乱にダッシュを続けている黒瀬 舞人を見ながら米満 唯花が思わず言葉を漏らした。ここは夕方過ぎの立田山。台風一過で天気が良く、気温も程良く暑すぎない状況であり、先程からお散歩に訪れる人もちらほらと見かける。本日は土曜日であり、黒瀬と米満はもともと街に映画を見に行く予定にしていた。だが、おととい昨日と台風の影響で、納得いく鍛錬が行えなかった黒瀬が、今日は鍛錬日にあてて体を酷使したいと願い出たので、米満はそれを了承したのである。もちろん米満もこの2日間鍛錬を行っていなかったので、このまま土日をだらけてしまうと来週の月曜日に体を戻すのに苦労するのは目に見えていたのだ。そこで本日は映画はキャンセルし、お昼過ぎからみっちり体を鍛えることにしたのである。もちろん本日は多少気温が低いとはいえ、日差しは絶好調だったので、熱中症に注意しながら主に持久力強化系の鍛錬を行っていたのである。そしてある程度満足のいく鍛錬を行えた米満は先に鍛錬を上がり、まだまだ鍛え足りない黒瀬の鍛錬を応援しながら眺めているのである。
「本当に舞人くんは体力底なしだよね」
 すでに体力自慢のアスリートが行う数倍もの鍛錬を消化している黒瀬を見ながら米満は感想を述べる。この時米満は黒瀬の体力が尋常ではないと判断をしているが、正しくはそうではない。もちろん体力も人並み以上にあるのは確かであるが、それよりも特筆すべきはその回復力なのである。もう動けないほどの限界まで追い込んだ後の回復力が尋常ではなく、ほんの少しの時間で動き出すことができるのだ。この時もちろん本当に限界まで追い込んだのかという疑問も湧くが、それを立証するのは難しいのである。
「あ、奏音ちゃんだ」
 立田山の入り口方面から島津 奏音が歩いてくるのが見える。おそらくいつものように展望台へと向かっているのであろう。まだまだ鍛錬を行っている黒瀬は島津と軽く挨拶を交わし、米満も目の前を歩いていく島津に手を振り、それに島津は笑顔で頭を少し下げ、挨拶をしたのであった。

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