見出し画像

1996年11月21日(木)《BN》

【子飼:布川 和人・高松 準也・青葉 晃平・杉谷 宏一】
「あっそ、ふーんやるんじゃないの」
 CM出演中のデーブスペークターさんのモノマネで高松 準也が言葉を発した。ここは居酒屋『子飼』。平日の夜であるが、店内にはある程度の客が来店しており、なかなかに騒然とした雰囲気である。本日の午前中湘南爆走隊部隊の布川 和人と高松、星のまたたき部隊の青葉 晃平は迷宮を探索しており、さすがに諸葛膽は良く守った部隊の杉谷 宏一は戦士鍛錬場で鍛錬を行なっていた。そして探索や鍛錬が終わった後で合流し、まずは『南食堂』で昼食を食べ、その後はアミューズメントビル『VIP』へ移動した。そこでボウリングやビリヤードなど、お決まりのコースで遊びに遊び尽くし、夕方過ぎの時間になってから『子飼』で飲むことにしたのである。この4人は一緒に遊ぶことが多いが、それは共通の趣味があることに起因する。それは競馬であり、大レースの前はいつも集まってそれを肴に飲むことが多いのである。今週末はGIジャパンカップが行われる予定となっており、今日の夕方には枠順が発表されているのである。ちなみに今年のJRAのCMは本木 雅弘さんとゲストさんが2つの要素でレースを予想し、それの対立させるような作りになっている。ジャパンカップはゲストにデーブスペクターさんを迎え、日本馬か外国馬かの争点でCMが作成させており、冒頭のセリフへと繋がるのである。
「俺は日本馬やな。天皇賞勝ったバブルでしょう」
 自信満々に布川が予想を述べる。先月行われた天皇賞(秋)でサクラローレルやマヤノトップガン、マーベラスサンデーといった古馬を抑え、4歳馬のバブルガムフェローが優勝した。そしてその勢いを買ってジャパンカップも出走してきたのである。
「いや、今年は外国馬が強い気がする。その中でも総大将のエリシオは強いよ」
 次に杉谷が予想を述べる。今年の凱旋門賞を勝った4歳馬のエリシオがジャパンカップを勝ちに来たのである。圧倒的人気になることであろう。
「俺も外国馬だけどエリシオじゃ面白くないから、シングスピールを狙いたい」
 同じ外国馬狙いだが別の馬を高松が口にする。エリシオやペンタイアの次評価にはなるが、鞍上は名手デットーリである。十分可能性はあるだろう。
「俺は秋華賞取ったからファビラスかな。ちょっと距離が不安だけど、力はあるはず」
 最後に青葉が自分の本命馬を発表する。1番人気で望んだNHKマイルカップでは馬群に沈んだファビラスラフィンであるが、休養明けの秋華賞で見事1着となったのである。このように4人の本命がそれぞれ違っているが、この中のどの馬が勝利するか、もしくは他の馬が勝つかはこの時点ではわからない。ただこうやって予想しあうのも競馬の楽しみなので、この後も美味しい酒を楽しむ4人であった。

いいなと思ったら応援しよう!