
1996年12月19日(木)《BN》
【センタープラザ:坂上 康太・高村 幸助・宮崎 藍・宮崎 桃】
「うーん、美味しいー」
「間違い無いよねー」
目の前のパフェを一口食べた後で、宮崎 藍と宮崎 桃が満面の笑みを浮かべつつ言葉を漏らした。ここはセンタープラザ内にあるレストラン『UCCコーヒーショップ』。13時を少し回った時間であり、買い物客を中心に店内は結構な賑わいを見せている。本日午前中は僧侶鍛錬場で鍛錬を行っていた坂上 康太は先日告白をして、友達からという返事をもらっていた藍に声をかけて、午後からセンターボウルでボウリングでもどうかと提案する。すると特に予定がなかった藍はそれを軽く了承し、午後から一緒に遊ぶことになった。流石にいきなり2人で遊びにいくのは緊張するということで、高村を誘って一緒に行くことにしたが、藍も姉の宮崎 桃を連れてきたので、4人で遊ぶこととなったのである。全員が冒険者組織本館で午前中鍛錬を行っているので、そこで集合して街まで一緒に移動しても良かったが、何となく集合は泉の広場にすることにした。特に深い理由はないが、熊本で待ち合わせといえば泉の広場かパルコ前が主流なので、今回は泉の広場で待ち合わせにしたのである。待ち合わせ時間の13時には全員が集合し、お昼がまだだったので、そのままセンタープラザ内にある『UCCコーヒープラザ』に移動してランチを食し、現在はデザートを楽しんでいるところなのである。
「ところで、藍さんと桃さんはどちらがお姉さんなんですか?」
気になっていたことを高村が質問する。同期で同じ僧侶なので藍とは1年近く接してきているが、桃は戦士なのであまり関わりがなく、2人でいるところをじっくり観察できているのは今日が初めてと言っても過言ではない。こうなるとどちらが姉なのが気になるのは双子あるあると言っていいだろう。ちなみに高村の予想では藍が姉で桃が妹である。それは2人の性格に起因し、藍は落ち着いた癒し系の女性であり、桃は明るい元気系の女性で、藍から何かと言動や行動に指摘を受けているからである。
「えっと、私が妹で桃が姉ですよ」
予想とは違った回答を藍が口にし、それを聞いた桃がなぜか自慢げな態度で発言する。
「だから私をお姉様とお呼びー」
特に深く考えた発言ではなかったのだろうが、この言葉を発した後はまたパフェを黙々と食べ始める。坂上と高村はお姉様と呼ぶのはそれはそれで面白いかと思ったが、今まで通り桃さん呼びを変更することはしなかったのであった。