1996年12月3日(火)《BN》
【六文銭:花岡 嶺・青島 由貴枝・大岩 依世・藤沼 映見・小形 文博・溝部 佳孝】
「それではブッチャークリアを記念してカンパーイ」
「カンパーイ」
隊長の花岡 嶺が乾杯の挨拶を行い、その後でメンバー全員が乾杯と叫んだ。ここは居酒屋『六文銭』。19時を少し過ぎた時間であるが、今日は客も少なく店内は落ち着いて雰囲気である。本日午前中が探索日だったクランキーコンドルおもろい部隊は、地下1階のボスであるブッチャーチャレンジを継続していた。前回までに花岡と青島 由貴枝はクリアしていたので、あとは大岩 依世がクリアするのを待つばかりである。そして本日ブッチャー戦を2回行った後の3回目のカエルの彫像移動で、ブッチャーが戦うことなく戦闘を回避したのだ。
「とりあえず地下2階に進めるね」
「ちょっとプレッシャーあったー」
次回の探索からは地下2階になることを藤沼 映見が口にし、結構緊張していたことを大岩が吐露する。クランコ部隊は14期の5部隊で比較してもブッチャークリアが一番遅く、つまりは地下2階に降りるタイミングも一番最後である。このまましばらくブッチャーがクリアできなければ14期の他のメンバーとの差が広がるばかりの状況だったのだ。また、1つ下の期である15期もすでに迷宮探索を開始しており、もちろんまだブッチャー戦には入っていないが、地下1階を探索しているという点では同じであり、追いかけられている感がハンパなかったのである。
「ところで話は変わるけど良いかな」
「何でしょう」
このタイミングで青島が話の流れをぶった斬って言葉を発し、それに溝部 佳孝が軽く返事を返す。すると青島が以前から聞こうと思っていたらしいことを口にした。
「クランキーコンドルって何?」
どうも青島は部隊名に含まれる単語のクランキーコンドルが何なのかが気になっていたようである。これを聞いて、大岩や藤沼も同じ感想は持っていたようであり、青島の言葉に同調している。
「名付け親答えてやり」
質問に対して花岡が口を開き、部隊名を考えた小形に答えるように指示した。
「デゲデゲデゲデゲデゲデゲデーンテレレレレレレレレレレレレレレデンデンデンデンデンデン・・・」
「パチスロの機種名だよ」
急にビッグが揃った時のBGMを歌い始めた小形 文博がなかなか歌うのをやめようとしないので、仕方なく溝部が質問に答えたのであった。