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1996年11月11日(月)《BN》

【新迷宮:黒髪てへトリオ部隊】
「ゲーセーン!」
「わかりやす!」
 出現した亜獣を見て、原田 公司が思わず言葉を漏らした。ここは新迷宮地下6階鏡の間。黒髪てへトリオ部隊は本日もここにやってきて亜獣退治を行っている。大塚 仁が本日1回目の鏡の罠解除を行うと、出現した亜獣は某美少女戦士アニメに出てきたキャラクターであり、キャラクター名をそのまま叫んでいるので正体がバレバレである。
「TNT爆発」
「無効」
 戦闘開始と同時に本田 仁と中島 一州が呪文を唱える。TNT爆発が直撃しているが、その攻撃を何とか耐えている様子だ。さすがは最強妖魔七人衆は伊達じゃないということだろう。
「意外と動きが速いっすね」
「油断するなよ」
 直接戦闘を仕掛けた中尾 智史がゲーセーンのキレの良い動きに思わず言葉を漏らし、それを聞いた前田 法重が慎重に戦うことを指示する。実際戦士の3人を相手にしても苦にしている様子は全く見せない。これは某美少女戦士4人を相手に戦った実績からも裏付けされている。
「TNT爆発」
 2発めのTNT爆発を本田が唱え、それを喰らったゲーセーンは少し厳しい表情を浮かべる。だが相変わらず戦士3人の直接攻撃に対しては確実に対応しており、ほとんどダメージを喰らっているようには見えない。そしてまた戦闘は膠着状態を迎え、一進一退の攻防となる。
「TNT爆発」
 そして3発目のTNT爆発を本田が唱え、それがゲーセーンに直撃すると、ゲーセーンの体内から嗚咽にも似た音が漏れ出し、そしてその音が最高潮に達した時に大声で叫んだ。
「リフレーッシュ」
 両手を上に挙げた姿勢でゲーセーンは次第に消滅していく。今までの亜獣と違い、消滅していく亜獣の表情は少し晴れやかに感じる。
「お疲れ様です。全然ヒーリングじゃないんですけどね」
 物質回収に向かう大塚が最後の亜獣の叫び声に軽く突っ込みの言葉を漏らす。それを聞きながら戦士3人はダメージ回復のため中島 一州の場所へと向かった。
「懐かしいキャラクターやったな」
「初代ですよね」
 回復を受けながら漏らした原田の言葉に中尾が返事を返す。ゲーセーンは某美少女戦士アニメのキャラクターであるが、現在は5作目のSSSが放送されており、ゲーセーンはその1作目のキャラクターなのである。
「でも妖魔で意外に強かったな」
「四天王とか出てきたらやばいかもですね。意地でもリフレッシュなどとは叫ばないでしょうし」
 敵の強さに対しての前田の発言に対して本田が冷静に分析し、四天王筆頭のセリフを借りて返事を返したのであった。

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