1999年10月1日（金）

【熊大第1迷宮：カードキャプター部隊】
「いててててて」
「デニムでもこの傷なんだ」
　戦闘終了後の回復を行ってもらいながら外口　デニムが漏らした言葉に、木下　界が感想を口にした。ここは熊大第1迷宮。カードキャプター部隊は本日も地下3階を訪れており、本日ボス部屋へと繋がる扉の罠解除に高村　佳子が成功する。これでボスのサラダバー戦が行えるようになったので、本日からボス戦を開始することにした。まずは外口がサラダバーと戦闘を行う。話に聞いていた通り、サラダバーは攻撃も防御も非常に素早い動きをしており、柱である外口でも攻撃の全てを無効化することは困難であった。初めての対戦ということもあり、思った以上にダメージを喰らった外口は現在大下の回復を受けているのである。
「物質回収終わりましたー」
　先程倒したサラダバーから精製されたレア物質を回収した高村が部隊に合流し、その後少しして外口の回復も終了する。すると次にサラダバー戦を行う予定の丸山　静江が静かにカエルの彫像へと向かう。
「じゃあ行くね」
　こう言葉を告げて、彫像を動かすと煙と共にサラダバーが出現する。
「久しぶりだな。丸山」
　もちろん以前会ったことなどないのであるが、これは定型分なので特に突っ込むことなどしない。気持ちを落ち着かせるように大きく息を吐き、両手剣を握りしめる。先程外口の戦闘を後方から眺めていたのである程度の攻撃パターンは認識している。だが、それを考慮してもサラダバーの動きは素早く、なかなか攻撃が当たらないし、攻撃を確実に交わすのも難しい。致命的なダメージを喰らうことはなさそうであるが、少しずつ蓄積されるダメージは精神的にも苦しい状況である。
「静江ちゃんがんばー」
「静江ちゃんファイトー」
　後方から高村と田辺　睦美の応援の声が聞こえる。これで少しやる気を取り戻した丸山は気合を入れ直し、攻撃に集中する。この後、厳しい戦いが続いたが、最終的にはサラダバーの殲滅に成功する。
「どうやらここまでのようだな。さらばだ、丸山！」
　最後の言葉を叫んだ後でサラダバーは後方へとジャンプし、そのまま消滅していった。
「お疲れー。物質回収するね」
　すれ違いざまに高村から声をかけられたが、かなりの疲労感のため、少し左手を動かすぐらいしか出来なかった。そのまま大下の場所まで移動し、回復を依頼する。この後は物質回収と回復が終わるのを待って、次は澤口　忍がサラダバー戦を行う。結果澤口が1番ダメージを被弾した状況でサラダバーをクリアし、物質回収と回復が終わるのを待って　本日はサラダバー1戦ずつで探索を終えることにしたのであった。