1999年11月11日(木)
【熊大第1迷宮:ターンエー期待十分部隊】
「扉の奥、亜獣5体です」
「良し、じゃあ地下2階初戦闘と行くよ。柳田くんお願い」
扉を調べた後で堀越 希巳江が発した言葉を聞いて、山平 僚子がこの後の行動指示を出した。ここは熊大第1迷宮地下2階。本日探索日のターンエー期待十分部隊は、まずは地下1階のボスであるブッチャーの部屋へと向かう。前回までの探索で山平と堅田 静華はブッチャーをクリアしていたので、本日は柳田 勇一のクリア目的での訪問である。だが、柳田の1回目のカエル彫像移動でブッチャーは戦わずに消滅する。ここに来るまでに通常亜獣とも一度も遭遇しなかったので、全く戦うことなく地下1階クリアが決まったのである。こうなると地下2階に降りたくなるのだが人情であり、現在地下2階にやってきているのである。
「オラー」
奇声と共に柳田が扉を蹴破り中へと侵入する。するとそこには巨兎が3体と赤スライムが2体存在していた。
「催眠」
巨兎3体に対して吉川 晋也が催眠を唱えると、そのうちの2体が呪文の効果により力無く倒れ伏した。
「私と静華でスライム。柳田くんは巨兎に」
この山平の指示を聞いて堅田はスライムに、柳田は巨兎への攻撃を開始する。赤スライムは特徴として毒を持っているものの、攻撃力自体は大したことがないので、山平と堅田の攻撃であっけなく殲滅に成功する。柳田は戦闘中に巨兎の攻撃を2発ほど喰らってしまったが、倒すこと自体には成功する。この間に眠っていた巨兎2体も堅田が消滅させていたので、これにて戦闘は終了した。
「物質回収します。問題なさそう」
物質回収に向かう堀越がこのように声をかけ、戦士3人はサムズアップで返事を返す。そして唯一ダメージを喰らった柳田は梅本 孝史に回復を依頼した。この後は回収と回復が終わるのを待って探索を再開する。そして追加で3回ほど亜獣と戦闘を行い、地下2階のレベルをある程度認識できたことに満足して、本日の探索を終えることにしたのであった。