2000年1月4日(火)
【戦士鍛錬場:外口 デニム・丸山 静江・澤口 忍・鳥海 新一・寺川 紗矢佳・稲嶺 泰葉】
「やっぱり全然敵いませんね」
「中々1期の差は埋まらないよ」
肩で息をしながら寺川 紗矢佳が漏らした言葉を聞いて、丸山 静江が笑顔で返事を返した。ここは午前中の戦士鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。冒険者組織は本日から本年の営業となり、探索や鍛錬が開始されている。だんごだんごだんご三兄弟部隊の鳥海 新一と寺川、稲嶺 泰葉も朝から模擬戦や鍛錬を行っていたが、休憩のタイミングがたまたま同じになったカードキャプター部隊に模擬戦をお願いしたのである。これを快く受け入れてくれたので、鳥海と外口 デニム、寺川と丸山、稲嶺と澤口 忍の組み合わせで模擬戦を行ったのである。カードキャプター部隊は19期でだんご部隊は20期なので、入隊時期に半年の開きがある。この半年という期間はまだまだ埋めるには難しく、模擬戦という形をとっているが、実際は稽古を付けるといった表現の方が相応しい。
「俺らも休憩しようか。ウーキー」
「デニムさん。了解です」
ある程度の模擬戦を続けて、鳥海の疲労が溜まっているのを感じた外口が休憩を提案し、ベンチの場所へと移動する。そこには先に休憩に入った他の4人がすでに座って汗を拭いたり、水分を補給したりしていた。
「久しぶりに模擬戦したけど、剣筋がかなり早くなってるよね」
「20期ではトップなんじゃない?」
模擬戦を行った感想を澤口と丸山が口にする。それを聞いただんご部隊の3人は少し嬉しい表情を浮かべ、その後で鳥海が返事を返す。
「どうですかね。もともと入隊試験の時点の上位6名が俺らとターンエーだったんですけど、たぶん今も同じぐらいだと思います」
「他の部隊と比べたら少し抜けてると思いますけどね」
質問に対して鳥海が正直な感想を述べ、稲嶺も言葉を続けた。確かに20期の戦士はだんご部隊とターンエー期待十分部隊に実力者が固まっているので、戦士はこの2部隊が抜けて実力が高いのである。
「じゃあトップを目指して頑張りましょう」
「オニキスめざして頑張りましょう」
休憩を終えて次の模擬戦に向かうために立ち上がって歩き出した丸山の言葉に、次の対戦相手である鳥海が謎の言葉を発しながら後に続いたのであった。