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1998年10月21日(水)
【戦士鍛錬場:菅原 泰造・遠山 華蓮・外口 デニム・丸山 静江・澤口 忍】
「どうっすか?うちの丸山ちゃんと澤ぐっちーは」
水分補給をしながら、外口 デニムが一緒に休憩中の菅原 泰造と遠山 華蓮に尋ねた。ここは戦士鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。外口が一緒に部隊を組んでいる戦士の丸山 静江と澤口 忍は通常この2人で鍛錬や模擬戦を行っている。だが、外からの評価が気になったので、先程まで丸山は遠山と、澤口は菅原と模擬戦を行っていたのである。冷静に外から見ていた外口の分析では、実力的には全く菅原や遠山に適ってはいなかったが、随所に良い動きは見て取れたので、それが実際に対峙した2人がどう感じたかを知りたいと思ったのである。
「うん。澤口くんは防御は甘いけど、攻撃はなかなか鋭いと思う」
澤口の評価を菅原が口にする。このことは外口も感じていたことであり、少し厳しくいえば、攻撃はそこそこだけど防御はからっきしなのである。現在は避ける系で戦っているが、今後は受けるか喰らうにシフトした方良いのではないかと考えている。
「丸山さんは澤口くんとは逆かな。回避能力はある程度のレベルがあるけど、攻撃が少し厳しいかも」
次に遠山が丸山の評価を言葉に出す。確かに丸山の回避能力は採用試験時から結構話題になっている。通常の避ける系の回避動作よりも一瞬早く避ける行動を行えるのだ。このことで攻撃する側が命中すると確信した場合でもギリギリ避けることが可能になることがあるのである。ただ、攻撃に関しては評価をするのが難しい。理由として考えられるのは両手剣を振り回すのが体格的に合っていないのかもしれない。
「もしかしたら片手剣の方がいいかもしれない。回避能力は高いから盾はいらないだろうけど」
解決策のアドバイスを遠山が口にする。これを聞いて丸山は今後の自分の戦闘スタイルを考え直すが、とりあえずは両手剣で行けるところまで行こうと決めているようである。