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1999年5月29日(土)
【道:前田 法重・中島 一州・原田 公司・大塚 仁・中尾 智史・本田 仁】
「武蔵丸が横綱になりましたね」
「これで4横綱2大関か」
いつものようにテンション高めで発した原田 公司の言葉を聞いて、前田 法重が返事を返した。ここは居酒屋『道』。本日もたくさんの客で店内は大盛り上がりである。前田一課のメンバーたちもいつものように宴会中である。先週まで行われていた大相撲夏場所で優勝した武蔵丸が、名古屋場所から横綱になることが発表され、世間はその話題で盛り上がっている。これで横綱が4人となり、大関が2人、いわゆる4横綱2大関の状況になるのである。ちなみに4横綱は武蔵丸と曙、若乃花、貴乃花の4人であり、大関は貴ノ浪と千代大海である。
「今や曙と武蔵丸の2強状態ですよね。若乃花と貴乃花に頑張って欲しいです」
こう言いながら大塚 仁は空いているジョッキをまとめてテーブルの端にまとめ、本田 仁に注文を依頼する。それに対して本田はプロのような動きで見事な注文を実現している。
「2人とも怪我がですね」
「怪我はどうしようもないよね」
若貴を応援する気持ちはあるが、決して状態が万全ではないことを中尾 智史が口にし、それに中島 一州も感想を述べる。若乃花も貴乃花も怪我の影響で本来の実力を出せていない状況なのである。
「まあ2人とも怪我が治って次は活躍してくれることを祈りましょう」
こう言って原田はジョッキを一気に開けて、つまみに箸を伸ばす。この後は相撲の話から漫画やアニメの話へとシフトし、楽しい宴会はまだまだ続くのであった。