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2025年1月30日(木)《GB》
《方言は普段はあまり使いませんが、結構好きです。特に女性が話すのは魅力的。でも暴言は除く》
【熊大第5迷宮:黒髪アッカーマン部隊】
「じゃあ準備は良いかい?」
「よかごたー」
隊員たちに準備が出来たかどうかを尋ねた富田 正継の言葉に、前田 綺羅が熊本弁で返事を返した。ここは熊大第5迷宮。黒髪アッカーマン部隊は先週地下2階のボスである青大オーラを倒したので、本日から地下3階探索となる。とはいえ何かいつもと変わるところがあるかといえばそうでもなく、いつものように準備をし、いつものように準備が終わっているのだ。
「言わなくても分かってると思うが、期待するなよ」
「もちろんたい。そぎゃん簡単にはでけんてわかっとるばいた」
この後迷宮探知でボス部屋を探索予定の罠解除士村川 学の声を聞いて、大塚 陽菜がこれまた熊本弁で返事を返した。どうも先程の前田の発言がきっかけで返事を返す方は熊本弁で返すという流れになってしまったようだ。ちなみに大塚は村川より年齢が1つ下なので。幼馴染とはいえ普段は軽く丁寧に話す。ただ熊本弁を丁寧に話す方法がわからないので、自分が知っている熊本弁を横柄に話しているのだ。
「熊本弁ねー。俺あんまりわかんないだよね。居酒屋で1杯目頼む時ぐらいかな」
「さしより生ばはいよってゆーたっちゃ、わっかもんにゃつーじんばいた」
今までの話の流れで自分の考えを発言した中尾
静馬に対して、前田がゴリゴリの熊本弁で返事を返す。もちろんこのメンバーは生まれも育ちも熊本なので、何を言っているかを理解できるが、他県の人には意味が通じないかもしれない。また、前田は24歳、大塚は23歳と全然若いため、熊本弁が通じない理由が年齢であるという発言は何かおかしいのである。
「とりあえず迷宮探知するね」
地下3階に到達したタイミングで村川がこう口にして集中に入る。この間は他のメンバーも話をしたりせず、静かに探知が終わるのを待っている。しばらくすると大きくため息をついて口を開いた。
「やっぱりダメだったです」
「ドンマイ!しゃーなか」
探知の失敗を報告した村川に前田が笑顔で声をかける。すると全員でしゃーなかしゃーなかと村川を励ましたのだ。これで予定通りボス戦には進めなかったので、地下3階を彷徨いて通常亜獣との戦闘を行う。やはり地下2階の通常亜獣よりも明らかに強くはなっているが、アッカーマン部隊の敵ではなく、とくにダメージを喰らうことなく本日の探索を終えたのであった。