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1996年8月3日(土)《BN》

【道:前田 法重・中島 一州・原田 公司・大塚 仁・中尾 智史・本田 仁】

「あれ、本田は今日東京行くんじゃなかったの?」
「え?飲み会参加しなかったら前田さんの殺すリストに入るじゃないですか。それはいやっすよ」
 ふと思い出したことを前田 法重が口にし、それを聞いた本田 仁が明確な返事を返した。ここは居酒屋『道』。本日もたくさんの客で店内は賑わっている。前田と心の友のメンバー達もいつものように飲み会を始めており、すごいペースでアルコールを消費している。本日と明日の2日間は『東京ビッグサイト』で“コミックマーケット50”が開催されており、全国からいわゆるオタクな人達が集合している。冒険者の中のオタク5人衆の1人である本田も、本来であれば女房を質に入れてでも参加したかったところではあるが、この飲み会が実施されている以上、参加できないのは仕方がないことと割り切っている。ちなみにオタク5人衆とは本田と二階堂 徹、滝川 成子、磯田 健史、堀田 鈴華の5人である。最近までは富田 剛が名を連ねていたが、冒険者の引退に合わせて堀田 鈴華に席を譲った形となったようだ。
「うん。前田くんの殺すリストはやばいね」
「生きたここちしないっすよね」
 先程の本田の言葉を聞いて中島 一州が感想を口にし、それに中尾 智史も自分の意見を述べる。
「殺すリストって何の漫画なんすか」
 笑顔でこう話しながら前田はビールを一気に開ける。するとそれを見計らっていた本田が瞬時におかわりを注文した。
「まあ俺たちはそのリストに名前がないから生きていられるってことですよ」
「無事これ名馬ってやつですね」
「それってこういう時に使うセリフじゃないっす」
 しみじみと口にした原田 公司の言葉に、いつもの反応で大塚が突っ込みを入れ、それを聞いた本田が冷静に言葉を続けたのであった。

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