1999年3月23日(火)
【AXIS:堀越 希巳江・山平 僚子・堅田 静華】
「あ、久しぶりー」
「店長久しぶりですー」
店内に入ってきた堀越 希巳江、山平 遼子、堅田 静華に気づいた富田 剛が声をかけ、それに3人は元気に返事を返した。ここはゲーム&喫茶『AXIS』ゲーセン部。本日も誠心誠意営業中であり、ぼちぼちの客が訪れてゲームを楽しんでいる。本日午前中はバイトの子に店を任せており、昼過ぎから店番に入っていた富田であったが、14時過ぎにやってきた3人に気づいて、思わず笑みを漏らす。
「そうか、もう高校生じゃないんだよね」
「ですよー卒業しましたよー」
前回『AXIS』に来店したのは2月上旬だったので、それから約1ヶ月が経っており、その間に3人は高校を卒業しているのだ。
「ところで・・・?」
3人を見つめながら、富田は恐る恐る質問してみる。すると3人は声を合わせて同時に叫んだ。
「3人とも合格しましたー」
「おーおめでとう!」
熊大を受験したのは知っていたが結果を聞いてなかったので、3人とも合格したと聞いて富田は歓喜の祝福を述べる。それを聞いて3人は嬉しそうに互いを見つめあった。
「ちなみに私と僚子は文学部で静華は法学部です」
「そっか。あ、ちょい待ち」
笑顔で堀越がこう報告するのを聞いていた富田であったが、ふと思いつき店の奥へと移動する。そしてお茶缶を3つ持って戻った来た。
「はい。熊大合格のお祝いにあげる」
「お祝いお茶っすか!?」
お茶缶を手渡してきた富田に3人は同じ突っ込みを入れる。だがもちろんお祝いを期待していたわけでもないのでありがたく受け取り、喉を潤す。
「じゃあちょっと遊んで帰りますね。あ、店長前にも言ってたけど、私ら冒険者も申し込むし、またここのバイトもしたいと思ってるので、お願いしますね」
「お願いしますー」
堀越の言葉に合わせて3人は元気に挨拶をし、好みのゲームのコーナーへと歩いていったのである。
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