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2025年2月20日(木)《GB》

《熊本にお越しの際はぜひパル玉回してみてください。冬は冷たいですが、夏はひんやりしてグッドです》
【HAB@熊本:神谷 里見・岸本 祥子・加藤 高志・内田 茂・吉井 美咲・中山 隼人】
「じゃあ撮りますね。はいチーズ」
 通りすがりのカップルに声をかけて、HAB@熊本の前で写真を撮ってもらったのは、ありがとうパルコ部隊のメンバー達である。現在14時を少し回った時間であり、本日の熊本は太陽こそカンカン照りであるが、気温が低く風が冷たい状況である。本日午前中に熊大第3迷宮地下10階を探索したありがとうパルコ部隊は、ボスに遭遇することなく探索を終えている。本日が部隊として最後の探索日であり、全員が来週の引退式で引退する予定となっているのだ。ちょうど大学を卒業する年でもあるので、4月からはそれぞれが新しい場所で新しい生活を始める。全員がバラバラになってしまうので、部隊名にもなっているパルコ跡に現在存在しているHAB@熊本の前で記念写真を撮ったのである。
「いい感じに撮れてるじゃん」
「後でLINEに上げといてねー」
 写真を撮ってくれたカップルからスマホを返してもらい、写真を確認した神谷が発した言葉を聞いて、横から写真を覗き見た岸本 祥子が声を上げる。写真を見ると全員がさわやかな笑顔を浮かべている素敵な写真であり、この写真はこれからこのメンバー達の大学、そして冒険者生活の思い出の1ページとして記念に残るものとなるであろう。
「この後どうするー?」
 取り敢えずここで記念写真を撮るところまでしか予定を決めていなかったので、この後の予定について久保 友美が声を上げる。すると即座に加藤 高志が返事を返した。
「取り敢えず、ちょっとこれやる」
 こう言いながら加藤が進んでいく先には熊本名物“パル玉”が存在している。これは石で出来た巨大な球体を、下から湧き出る水の力で浮かせた物であり、球体の部分がくるくると回転するのである。正確には“グラニット・ボール”と言うらしいが、熊本県民にとってはパルコ前にある玉だったのでパル玉という名称がしっくりくるのである。
「俺も俺も」
 加藤に続いて内田 茂と中山 隼人もパル玉に向かって移動をする。そして3人で一緒にパル玉を高速回転させ始めた。
「これやって見たかったんだよねー」
「最後に記念になったよ」
 寒い中で手を濡らしながら加藤が嬉しそうに声をあげ、内田も満足気な表情を浮かべる。誰もがこの球体に触って回して見たくはなるが、人がいると結構恥ずかしく、なかなか決断がつかないものである。今回冒険者を引退し大学を卒業、熊本からいなくことが決まっているので、今しかないかもという気持ちがこの3人の決断を促したのであろう。
「男の子だよねー」
「手え冷たいでしょうに」
 はしゃいでいる男子3人を見ながら少し呆れて神谷が言葉を漏らし、吉井 美咲はこの寒い中で冷たい水を触っていることを少しだけ心配した。この後は特に目的地を決めずに色々な場所を移動しながら記念写真を撮りまくり、夕食は熊本といえば馬肉ということで銀座通りにある『三村』で、美味しい料理とお酒をいただいたのであった。

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