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1999年9月29日(水)

【戦士鍛錬場:藤井 淳紀・前村 亮二・福永 菜月・島田 笠音・倉本 憲伸・高倉 蘭馬】
「まだしばらく地下2階だよな」
「地下2階で間違い無いです」
 休憩時間中に藤井 淳紀が口にした言葉を聞いて、倉本 憲伸が返事を返した。ここは午前中の戦士鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。いつかは最強いつでも最強部隊と華撃団Ⅲ部隊の戦士達は合同で鍛錬を行っており、現在休憩中である。この2部隊は新迷宮の地下2階を探索しており、主にトレーニングルームで戦士のレベル上げ中である。いつかは部隊は全員が13期であり、華撃団Ⅲ部隊は13期〜15期のメンバーで編成されているので、普通に考えればいつかは部隊の方が探索進度は先のはずである。ただ、スケジュール的には遅延しているわけではなく、どちらかといえば華撃団Ⅲ部隊の進度が少し早めなのである。ちなみに、同じ13期の>>1さん部隊はすでに地下3階探索に入っているので、ここと比較すると遅いという判断になるが、>>1さん部隊の進度が異常に早いだけなので、これと比較するのはあまり意味がないことである。
「倉本くんと高倉くんがもう少ししっかりしないと」
 静かな口調で島田 笠音が言葉を漏らす。これはいつも言われていることなので、倉本と高倉 蘭馬は苦笑いしながら頭を軽く下げることぐらいしかできない。これを見て福永 菜月は思わず笑みをこぼしてしまった。
「島田さんは厳しいんだよ。1期違うんだし」
「前村さんは甘すぎるんですよ」
 フォローの言葉を発した前村に対して、島田はため息を吐きながら言葉を漏らす。入隊して間もない時期ならともかく、すでに約4年が経っており、いつまでも期の違いを言ってても仕方がないのである。少なくとも島田はそう思っており、13期の同期はもちろん、自分より古い期の人にも負けないように日々努力をしているのである。
「良し、じゃあ島田さん模擬戦お願いします。本気を出した俺を見せてあげますよ。ギャフンと言わせます」
 立ち上がりながこう口にした高倉は島田を見つめる。するとそれに呼応するように島田も立ち上がり模擬戦場所へと向かった。
「ギャフン」
 猛烈な連打を対処しきれず高倉がギャフンと叫んだのは5分後であった。

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