
1997年2月10日(月)《BN》
【戦士鍛錬場:大島 めぐみ・山下 茜・江良 涼子・桜庭 敦子・平山 裕美・布川 和人】
「究極極めたら体力勝負じゃ無いのかな」
「最後はやっぱり体力ですかねー」
少し考えて発した大島 めぐみの言葉を聞いて、桜庭 敦子は納得の返事を返した。ここは午前中の戦士鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。華撃団Ⅱ部隊と湘南爆走隊部隊の戦士たちは朝から一緒に鍛錬を行っており、模擬戦を何度か繰り返した後の2回目の休憩タイムに桜庭が疑問の言葉を述べたのである。戦士の防御方法は大きく分けて3種類、細分すると9種類に分類される。まずは避ける人の中に神技系、予知系、起源系、受ける人の中に重受系、中受系、軽受系、そして喰らう人の中に全喰系、半喰系、微喰系があるのだ。この中から自分の戦闘スタイルや感覚に合うものを選び、戦士たちは防御力を鍛えることになる。ただ、9つの中でも利用頻度の大小があり、避ける人は3つとも人気があるが、喰らう人はほぼ全喰であるし、受ける人は中受が人気である。
「攻撃が当たらなくなるから決着つかないよね」
「千日戦争に陥りますな」
正直な感想を平山 裕美が口にし、それに布川 和人が自分が大好きな漫画に出てくる単語を口にした。どの防御タイプを選択したとしても極めるまで成長すれば敵の物理攻撃はほぼ無力化できる。全くの睨み合いに終わるか、戦って戦って戦い抜いて体力勝負になるかのどちらかであろう。
「あ、そういえばもう1つあったわね」
「最強はそれでいいよ」
先程話に出た9つの防御法以外を思い出した江良 涼子の言葉を聞いて、それを理解した山下 茜が最強論議を終わらせる返事を返した。ちなみにそのもう1つと言うのは黒髪てへトリオ部隊の前田 法重が使用する防御術切り返しのことであり、極めてさえしまえば他の9つの防御法は完全に無力化されるほど強力なものである。ただ、これを利用できるのは前田しかおらず、他にも何人か習得しようと試みたが、途中で全員が心折れて別の防御方法に変更したのであった。