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2025年2月11日(火)《GB》

《今日は建国記念日。大層な名前の祝日です。建国をしのび、国を愛する心を養う日。大事な日ですな》
【鶴屋:前田 梨奈・渕上 彩菜・本田 明梨】
「そろそろ選び終わったかな」
「もう少し待っててー」
 自分の分の買い物はすでに終わっている本田 明梨が、まだまだチョコレートを選別中の前田 梨奈と渕上 彩菜に声をかけたが、もう少し時間がかかるとの返事が返ってきた。ここは熊本最大の百貨店『鶴屋』。現在バレンタインスクエアというイベントが東館7階の鶴屋ホールで行われている。有名ブランドの高級なチョコレートばかりであり、どれを選んでも本命チョコとして申し分ないレベルの品々が展示されている。今日は祝日であり、冒険者組織も休館なので、前田と渕上、本田の3人は明後日のバレンタイン用のチョコレートを仕入れに本田の車で『鶴屋』にやって来たのである。
「時間がかかるねー」
「数が多いんだよね」
 一緒に見て回りながら声をかけた本田の言葉に、前田が軽く返事を返す。冒険者の人数は基本的に罠解除士系と僧侶系、魔術士系がそれぞれほぼ同数であり、戦士系がその3倍となる。部隊編成の数がそのまま在籍数比率となるので、戦士の人数は全体のほぼ半数となるのだ。普段お世話になっている人にチョコを渡そうと思った場合に戦士女子は単純計算で罠解除士女子や僧侶女子、魔術師女子と比較して約3倍のチョコを配ることになるのである。
「これ結構な金額になりそう」
「でもまあ気持ちだからね」
 買い物かごの中身を見つめながら前田が漏らした言葉が聞こえた渕上は、普段お世話になっていることを考えれば金額は気にならないことを口にする。そもそも冒険者は報酬が法外に高いので、高級チョコレートを大量に購入するぐらいはあまり気にならないのである。
「はい、これで良しっと」
「私もこれでいいかなー」
 最後の1つをカゴに入れ終えた前田が口にした言葉に、渕上も同様の返事を返す。そして2人はチョコレートの金額を払いに支払い場所へと移動するのであった。この後、お昼も街で食べる予定にしていたが、大量のチョコレートが荷物になるので、一旦『鶴屋パーキング』に移動して本田の車のトランクにチョコレートを保管する。これにより動きやすくなったので、昼食をどこかで食べるべく街ブラを始めたのであった。

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