1996年10月4日(金)《BN》
【戦士鍛錬場②:大浦 俊克・権藤 友加里・柳川 悠加】
「微妙なラインだな」
「俊克が微妙なら私はアウトだわ」
「私もー」
模擬戦を終えて休憩中に、現在の特典ランキングを眺めていた大浦 俊克が発した言葉を聞いて、権藤 友加里と柳川 悠加が思わず突っ込みを入れた。ここは午前中の戦士鍛錬場②。2次試験4日目であり、本日も朝から模擬戦が随所で行われている。4日目ともなるとかなりの数の模擬戦をこなしているので、得点ランキングのポイントもだいぶん大きな数字となっている。それに伴い上位者と下位者の点数差も大きくなってきており、15名の合格者に選ばれるように全戦士が必死に模擬戦を行っているのだ。現在大浦の名前は7位の場所に記載してあり、権藤は11位、柳川は13位である。上位15名が合格ラインの目安となるので、一応3人とも現在は合格ラインに乗っている。ただ、今後の順位変動を考えれば、現在7位の大浦でもセーフティーとは言えないので、微妙なラインと表現したのである。
「まあ、何があるかわからんじゃん。体調壊すかもしれんし」
「こんな大事な時に体調崩すようなら、落ちた方が良いよ」
軽く返事を返した大浦だったが、思った以上に権藤の返事が厳しかったので、思わず笑ってしまう。そうこうしていると休憩時間が終わったので、3人はそれぞれに模擬戦場所へと向かった。ちなみにこの後の模擬戦では3人とも絶好調で有り、本日最終時点で大浦は4位、権藤が7位、柳川が9位まで順位を上げたのであった。