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1998年8月19日(水)

【熊大第1迷宮:メガレンジャー頑張れ部隊】
「では地下3階に降りてみますか」
 軽く笑顔を浮かべて金谷 拓真が隊員達に向けてこのように発現した。ここは熊大迷宮。本日メガレンジャー頑張れ部隊は地下2階の天才の部屋を訪れて天才チャレンジを行っていた。前回の探索で金谷はクリアしていたので、本日はまず寺井 慎介が天才を呼び出したが、天才は1戦もすることなく消滅した。次に坂本 夕夏であるが、召喚された天才は戦闘を望み、熱戦を繰り広げた。この後、2回目の天才召喚時に天才が戦わず消滅したので、地下3階へ降りてみようということになったのである。
「噂では地下3階は迷宮の作りが全然違うらしい」
「みんな驚くって言うけど知ってれば驚かないですよねー」
 天才の部屋から地下3階への階段がある場所へは通路を歩いて移動する。その途中で宮嶋 信乃が口にした言葉に対して、青田 祐理子が笑顔を浮かべて返事を返す。程なく地下3階に降りる階段へと辿り着き、階段を降りる。
「ひょえーーーー」
 地下3階に降りてその雰囲気の違いに全員が驚愕したが、中でも先程驚かないとほざいていた青田が1番驚きの叫びを上げた。
「ちょっと落ち着こうか」
 そう言って金谷は階段を降りた場所で少し休憩することにする。変なテンションのまま亜獣と戦うにはリスクがあるからだ。全員が落ち着くのを待ち、探索を開始する。地下3階はマップ全体が格子状になっており、階段を降りて北側と南側に通路が伸びている。部隊は南側に進み、十字路の手前側にある扉を八田 宏紀が調べる。扉に罠はかかっておらず、奥に亜獣が4体いるようだ。
「行きます」
 そう口にした寺井が扉を蹴破り部屋の中に突入する。部屋の中には甲殻が4体存在していた。話には聞いていたが、その大きさに少し驚く。
「爆発」
 宮嶋が爆発を唱え、甲殻の2体は消滅する。残るは2体なので、戦士の攻撃で難なく倒し切った。
「物質回収します」
 物質の回収に八田が向かい、隊員達はこの後どうするかを話し合う。地下3階での初戦闘を終えたので、今日は撤収しようということになり、八田の回収が終わったのに合わせて探索を終えることにした。

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