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1999年2月15日(月)
【戦士鍛錬場:井上 貴志・栗原 慎・松 美由紀】
「あ、ありがとね。義理だとわかっててもありがたい」
「今年はバレンタイン日曜日だったからね」
チョコレートをもらった井上 貴志が素直にお礼を述べて、それに松 美由紀が笑顔で答えた。ここは午前中の戦士鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。本日も朝から鍛錬のために集まっている井上と栗原 慎、松であるが、鍛錬開始前に忘れないように井上と栗原にチョコレートを渡したのである。日曜日の昨日がバレンタインデーということもあり、翌日ではあるが、本日チョコレートの受け渡しが各所で行われており、気持ち鍛錬場もチョコレートの甘い匂いで充満しているようである。見た感じそのほとんどが義理チョコだと思われるがそれに紛れて本来の意図でのプレゼントが行われているかもしれない。ただ、井上と栗原は今の所松からもらったチョコも含めて受け取ったチョコは明らかな義理チョコなのである。
「ところで松ちゃんは昨日本命チョコ誰かにあげたの?」
準備運動を行いながら栗原が島に質問する。
「あげなてないねー。あげる人がいないんだー」
同じく準備運動をしながら、平然と返事を返した。そして少し考えて言葉を続ける。
「2人は本命チョコもらったの?」
この言葉を聞いた井上と栗原は軽くため息をついて、返事をすることなく鍛錬場所へと向かったのである。