1999年9月17日(金)
【熊大迷宮:勇者王ガオガイガー部隊】
「羽田くん大丈夫?」
「また派手にやられたな」
苦しい表情を浮かべて回復を受けている羽田 晴信を見つめながら木寺 菜穂美が声をかけ、回復を施している稲見 正一郎も傷口を見つめながら言葉を漏らした。ここは熊大迷宮。本日も勇者王ガオガイガー部隊は地下7階を訪れている。エレベータを降りてすぐに岩川 慎吾がボス部屋の扉の罠解除にチャレンジすると、見事に罠解除に成功した。こうなると扉の奥のボスと戦いたくなるのが人情というものであり、部隊全員でボス部屋の中へと移動する。地下7階のボスはペケであり、1対1で戦うタイプである。そこで戦士の木寺と下里 由理子、羽田の3人で誰が1番初めに戦うかを話し合う。いろいろ議論した結果、今回は羽田が1番初めにボス戦を行うことになった。いつものようにカエルの彫像へと近づき、彫像を移動する。すると湧き上がる煙と共にペケが出現した。
「羽田、うぬが命以外もはや何もいらぬ」
真剣な表情でこう言葉を漏らしたペケはじっと羽田を見つめている。初めて見たペケはかなり威圧感があるが、この威圧感に飲まれるわけにはいかないので、気持ちを強く持ち、両手で剣を構えた。この後はペケの激しい攻撃を凌ぎつつも、タイミングを見て反撃を加える。流石に地下7階のボスということもあり、かなりのパワーを持っているようだ。
「が!!!!!」
一瞬みせたペケのスキに対して攻撃を加えた羽田であったが、その攻撃自体は功を奏したものの、そのタイミングで放たれた反撃によって左手にかなりの重傷を負う。正直腕が落ちたかのような感覚を覚えるが、動かないものの左手はまだぶら下がっているようである。
「こなくそ!」
全く感覚のない左手を剣と一緒に右手で握りながら戦闘を続ける。先程の1撃をもう一度喰らうわけにはいかないので慎重に攻撃を交わしながらダメージを与えていく。すると何とかダメージを蓄積させるのに成功したらしく、ペケは優しい笑顔を浮かべながら消滅していったのである。
「晴信大丈夫か?急いで回復してもらえ」
こう言いながら岩川は物質回収に向かい、羽田は稲見の場所まで移動して回復を依頼したのである。結果出血などの症状は回復魔法によって完治できたが、左手の動きや感覚に異常があることから、本日は探索をここまでにして、熊大病院で診察してもらうことにしたのである。結果、症状は意外と重く、手術が必要となり、2週間ほどは入院生活をすることになったのであった。