2024年8月17日(土)《GB》
《大社高校は神がかってましたね。さすが大社です。これで次戦は神村高校と神対決。真の神選手権》
【道:富田 正継・原田 祐一・大塚 陽菜・村川 学・前田 綺羅・中尾 静馬・新熊 芽衣奈】
「いやー、結構痺れたよね」
「ナイスゲームでした」
ジョッキを一気に開けた後で発した富田 正継の声に対して、中尾 静馬が言葉を続けた。ここは居酒屋『道』。本日もたくさんの客で店内は大賑わいである。もちろん奥の特等席では黒髪てへトリオ部隊の方々も当たり前のように飲み会を行っている。黒髪アッカーマン部隊のメンバーと新熊 芽衣奈は本日飲みにいく約束をしており、どこで飲もうかといろいろ考えた挙句に『道』で飲むことにした。ここは前田 綺羅の母親が経営しているので、あまり選択肢には入れないのであるが、どこにしようか考えるのが面倒な時には利用するのである。飲み会自体は19時開始予定だったので、それまでの時間に各自計画していた用事などを済ませることにしていた。その中で暇々だった富田と原田 祐一、中尾の3人は時間まで富田の家で遊んでおり、遊びながら先程まで一緒に高校野球を見ていたのである。本日の第4試合は西東京代表の早稲田実業と島根代表の大社高校の戦いであり、接戦で手に汗握る展開となっていた。2対1の早稲田リードで迎えた9回裏、大社高校が1点を返し、尚且つさよならのチャンス。これを早稲田が守り切り延長タイブレークに突入する。この後、10回はお互いに無得点、そして11回の裏に大社高校がサヨナラ勝ちを収めるのである。
「正継のドラマチック突っ込みが笑った」
「何それ?」
少し思い出し笑い気味に原田が言葉を発して、それに前田 綺羅が軽く質問を返す。すると状況を思い出しながら富田が口を開いた。
「いや、すごくドラマチックな展開の時に本日の地球ドラマチックは高校野球終了後に放送しますって字幕が出たんだよね。だから、今がドラマチックやろ!これ以上のドラマチックは多分無理やって画面に突っ込んだんだよね」
「まーくんらしいね」
普段からよく色々なものに突っ込みを入れることを知っているので大塚 陽菜が笑顔で言葉を漏らす。それを聞いて前田と新熊 芽衣奈も納得の表情を浮かべている。
「あとレフトゴロも初めて聞いた」
「俺も多分初めてっすよ」
今日の試合中に起きたレフトゴロという珍事について原田が口にし、それに中尾が返事を返す。ライトゴロはたまにあるし、ギリギリセンターゴロも可能性がないわけではないが、レフトゴロはまず起きない珍事である。これは1点を取らせないためにレフトがピッチャーのすぐ横を守ったために起きた事象だったのである。この後もしばらく高校野球の話で盛り上がり、そのあとは来週の月曜日が健康診断なので、忘れないように話を合わせる。そして、この後はいつものようにアニメやギャンブルの話で盛り上がったのである。