見出し画像

1997年2月8日(土)《BN》

【別館道:前田 法重・中島 一州・原田 公司・大塚 仁・中尾 智史・本田 仁】
「まじらしいですよ」
「まあ俺らもう関係ないっちゃあ関係ないけどね」
 飲み会の途中で何か思い出したように話をした中尾 智史の話題に、前田 法重は軽く返事を返した。ここは居酒屋『別館道』。本日もたくさんの客で店内は賑わっている。前田といつもの戦友たちも当然のように集合し、当然のように宴会を行っている。現在の日本の法律ではお酒とタバコは20歳からということになっている。ただ、現実的な話として18歳で高校を卒業し、社会人や大学生になった場合に、タバコやお酒を飲む機会が格段に多くなり、実際にはそれを断れない状況が多く発生している。言ってみれば法律の体をなしてない状況であり、数年前からこれを徹底するのか、法律を緩和するのかの議論が行われてきたのである。そして今回飲酒喫煙の基準が18歳未満および高校生は禁止と変更をされようとしているのだ。
「何ですかね、いろいろと利権があるんですかね」
「確かに高校卒業してから20歳まで酒とタバコと我慢するやつはそういないからね。元々飲む気が無い人を除いては」
 今更の法律改正議論に原田 公司が意見を述べて、それに中島 一州も持論を述べる。健康面やさまざまな点において酒とタバコを20歳からとする主張には全く異論はないが、高校卒業が18歳であり、実質的には大学生や社会人となっている状況で、酒とタバコを自制しろと言うのは現実的には難しいのである。
「とはいえ、法律変わっても別に何もかわらないけどね」
「大学生も社会人も新歓とかでお酒ガンガン飲みますもんね」
 法律の変更の影響について大塚 仁が言葉を発してそれに本田 仁が返事を返す。現時点でほとんど守られていない法律なので、改正したことによって現状に近づくだけであり、これによって何かが影響を受けることはなさそうである。この法律については実は結構前から議論が行われており、あまり報道はされていなかったが、今年中には制定される見込みである。なので、1999年の大学入学者以降は新歓コンパなので堂々とお酒が飲めるようになるのだが、別に現状とあまり変わらないのも確かである。

いいなと思ったら応援しよう!