1999年9月22日(水)
【冒険者組織入り口:佐山 友也・鹿野 光宏・富田 剛】
「さしより合格やな」
「まあさしよりやな」
合格発表の掲示板を見ながら佐山 友也が言葉を漏らし、それに鹿野 光宏も感想を口にした。ここは午後14時過ぎの冒険者組織入り口。今は周りには誰もおらず閑散とした雰囲気となっている。21期の冒険者試験に申し込んでいた佐山と鹿野は、午前中は大学の講義があったので講義を受講した。そして午後は講義がなくフリーだったので、大学内の学食で食事をとった後、冒険者組織地区まで合格発表を確認に来たのである。結果は2人とも希望職種である戦士での合格ということであった。ちなみに2人が口にした“さしより”という言葉であるが、これは熊本弁で“とりあえず”という意味である。
「どうする?これから」
「こっちでちょっと遊んでいこうか」
この後の予定についてどうするかを佐山が確認し、それに鹿野が提案の言葉を口にする。このまま武蔵ヶ丘に帰るのも良いが、たまには違う場所で遊んでみるものそれはそれで楽しいものである。話に聞くところによると、冒険者組織地区周辺にはパチンコ屋が3軒あり、ゲームセンターも3軒、ボウリング場やビリヤード、カラオケ、雀荘など、武蔵ヶ丘にある現在の熊大周辺と同様に、いろいろ揃っているようなのだ。
「ちょっとゲーセン行ってみようぜ」
「OK〜!」
取り合えず2人は県道まで戻った後、子飼橋方面へと歩き出す。すると左手に喫茶店と併設しているゲームセンターを発見した。中に入ってみると、いかにも昔のゲームセンターという雰囲気の店の作りであり、自分たちでも楽しめるゲームがたくさん揃っているようである。この後、2人はここでゲームを楽しみながら時間を潰す。そして途中サービスで冷たいお茶缶を持ってきた店長らしき人と軽く雑談をし、夕方過ぎの時間になって武蔵ヶ丘に帰ることにしたのであった。