1999年12月14日(火)
【熊大第3迷宮:ウィンドウズは98部隊】
「キサマ、なぜ邪魔をする」
「やれやれだぜ」
出現して定型文の言葉を発したガキに対して、深山 政樹が思わず言葉を漏らした。ここは熊大第3迷宮。ウィンドウズは98部隊は本日も地下3階のボスであるガキの部屋を訪れてる。先週までのガキチャレンジで菅原 泰造と遠山 華蓮はすでにクリアしており、まだクリアできていない深山は、先程の戦いにおいてほぼノーダメージでガキを倒すことに成功している。正直だいぶ前からガキに勝ち目は無くなっており、ダメージすらほぼ喰らわなくなっているので、さすがに今回でクリア出来ると思っていたのである。
「さっさと倒しちゃえー」
「了解ー」
後方から宮内 純香の可愛い叫び声が聞こえてきたので、深山は気合を入れて返事を返す。そしてガキに集中して戦闘を開始した。流石に回数をこなしているので、ガキの動きのパターンはほぼ頭に入っている。もちろんたまにイレギュラーな動きを取ることもあるが、それすらも予測の範囲内であり、攻撃を喰らうことはもうなさそうである。戦闘は一方的に進んでいき、ほぼ良いところを見せることなくガキは消滅を始める。
「一つ聞きたい。オレは何なのだ」
いつもの捨て台詞を残してガキは完全に消滅していった。
「物質回収しますー。何ってガキだよね」
こちらもいつもの定型分を叫びながら村田 恋歌が物質回収に向かう。そして深山は部隊の場所へと戻るが、ダメージは喰らっていないので回復は依頼しなかった。
「流石にもうクリアだろう」
「このカシオミニを賭けてもいい」
状況的にもうガキは戦わないだろうと判断した菅原の言葉を聞いて、坪田 晃平も同意を示し、ここに現物はないが、カシオミニを賭けるほどの自信があるようである。このようなくだらない話をしながら物質回収が終わるのを待ち、村田が戻ってきたので、深山は再度壁の壁画の場所へ向かう。そして口の部分に右手を差し込んだ。
「お前強いな。においでわかる。いつか戦ってみたいものだ」
このセリフを発した後でガキは戦わずに消滅したので、ようやく深山もクリアしたことになり、これで地下3階探索は終了ということになったのであった