2024年7月18日(木)《GB》
《小中学校は明日が終業式でいよいよ夏休みみたいですね。子供の頃何してたっけなあ。思い出せない》
【AXIS:有村 藤花・澤口 恭平・富田 水無】
「さりげなく昨日街で女性といるところ見たよ!って聞いたけど、単なる知り合いだって軽く返されたよ」
「ふむう、単なる知り合いねえ」
昨日撮った写真を眺めつつ澤口 恭平が発した言葉に、有村 藤花は軽く返事を返した。ここはゲーム&喫茶『AXIS』喫茶部。昨日財津 彩人が綺麗な女性と一緒にいた事について話をしたくて仕方がない澤口が有村をランチに誘ったのである。そしてここに富田 水無がいるのはこの店を選んだ以上仕方がない事だ。午前中の鍛錬はいつものように財津と黒瀬 舞人、そして富田 正継や原田 祐一、大塚 陽菜と一緒に鍛錬を行っており、その途中の休憩中に軽く昨日のことを質問してみたのである。だが、詳しいことは話してくれなかったので、謎が謎呼ぶ殺人事件の状況は変わっていない。
「でもすごく綺麗な人だよね」
スマホの写真を見せてもらいながら富田が口を漏らす。年齢は自分や有村よりも2〜3歳ぐらい上だろうか、大人の雰囲気が漂う美人である。
「でもまあもちろん藤花さんのほうが綺麗ですよ」
「はいはい。ありがとう」
真剣な表情ではあるが、どれだけ真面目な発言なのかはわかりづらい澤口の言葉に、有村はいつものように軽く返事を返す。
「平和だねえ」
2人の会話のやり取りを見ながら富田が言葉を漏らす。そして紅茶を飲みながらホッと一息つくと、あることが頭に浮かんだ。
「それにしても藤花の部隊って、財津くんと昨日の女性、黒瀬くんと噂の女子高生、そして一応澤口くんと藤花で男子全員女性関連の話題があるんだね」
思いついたことを富田が口にすると、一応の部分が気になった有村と澤口であるが、その発言の内容に軽く同意する。ちなみに一応の部分での気になり方は有村と澤口では異なっている。
「それに比べてうちの部隊の男子どもは」
軽くため息をつきながら富田が言葉を漏らす。同じ部隊の原田 伸、本田 隆、大塚 大吾は小さい頃からの幼馴染であるが、女性の噂を全く聞かないのである。この事について有村は何か言いたげだったが、この時は何も言わずに別のことを口にする。
「そうそう、水無、財津くんのことは他の人に言っちゃダメだよ」
「あ、そうだよね。危なかった。早速言いふらすところだった。わかりました!」
前回の黒瀬の件も四方八方に言いふらされたことを多少気にしている有村が、富田に注意を促して、それに対して了解したことを口にしたのである。
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