1999年12月3日(金)
【熊大第1迷宮:カードキャプター部隊】
「久しぶりだな、澤口」
「さっきぶりだなサラダバー」
出現したサラダバーが戦う気満々で定型分を口にしたので、それに澤口 忍が憮然として返事を返した。ここは熊大第1迷宮。カードキャプター部隊は本日も地下3階のボスであるサラダバーの部屋を訪れている。戦士3人のうち外口 デニムと丸山 静江はすでにサラダバーをクリアしているので、澤口がクリアできれば地下3階も探索終了ということになるのである。
「忍頑張れー」
「忍くん頑張ってー」
後方から僧侶の大下 界、罠解除士の高村 佳子と魔術師の田辺 睦美が大きな声で声援を上げている。これを聞いて元気百倍の澤口は両手剣を力強く握り締め、サラダバー戦を開始した。
「もうクリア出来るだろ」
「流石にねー」
戦闘を眺めながら外口が言葉を漏らし、それに丸山も感想を述べる。対戦当初はサラダバーの素早い動きに翻弄されていたが、今は確実に攻撃に対して対処できている。不思議と攻撃を数発喰らっているようであるが、ダメージはほとんど通っていないようだ。純粋に与えたダメージ勝負であればほぼ完勝と言って良いのだが、喰らった回数が評価されるのであればそれがクリアできない理由なのかもしれない。ただそれを言い出せば喰らう人はクリアできなくなるので、回数起因ではないであろう。
「どうやらここまでのようだな。さらばだ、澤口!」
限界までダメージを喰らったサラダバーが、定型分を口にして消滅していった。
「お疲れー。物質回収してくるねー」
このように声をかけながらいつものように高村が物質回収に向かう。そして澤口は部隊のメンバーの場所へと戻ってきて一応大下に回復を依頼した。この後は回収と回復を待って再度サラダバー戦を行うためにカエルの彫像を移動する。するといつものようにサラダバーが出現した。
「久しぶりだな澤口。さらばだ、澤口!」
出現したと同時に消滅を始めたサラダバーを見て澤口はクリアを実感する。そして後ろを振り返ると部隊のメンバー全員から祝福されていたので、満面の笑顔を浮かべてサムズアップを返したのであった。