2024年10月25日(金)《GB》
《こいつは猪の仮面をかぶっているのではなくて、純粋に頭が猪です。某伊之助さんとは違います。猪男》
【AXIS:有村 藤花・結城 香純・桑野 絵梨花・富田 水無】
「こんにちはー、あれ?今日は桑野さんこっちなんですか」
「そうなの。さっき水無ちゃん帰ってきたんだけどちょっと具合が悪いみたいで、上で寝てるんだよね」
いつものようにお店に入ってきた有村は、富田 水無が店番をしていると思っており、それが桑野 絵梨花だったことに少し疑問の気持ちが湧いた。ここはゲーム&喫茶『AXIS』喫茶部。お昼過ぎの時間であり、店内はある程度の客で賑わっている。午前中鍛錬を終えた有村と結城 香純はここで昼食を一緒に食べる約束をしており、たまたま鍛錬場を出る時間も同じになったので、一緒に歩いてやってきたのである。今日ここに来ることは富田にも話しており、鍛錬後はしばらく店を手伝うとも聞いていた。だが、体調が悪いということは知らなかったので、少し驚いたのである。
「そういえば2人が後から来るとは聞いてたわ。体調良くなったら降りてくるって言ってたからとりあえずご飯食べてよ」
こう桑野に言われたので2人はとりあえずランチセットを注文することにする。すると桑野は厨房内へと入っていった。
「水無大丈夫かな」
「ちょっと心配ですね」
お冷を飲んだ後に有村が思わず言葉を漏らし、結城も心配そうに気持ちを述べる。富田はあまり体が大きくなく、魔術師なので体もそれほど鍛えてない。一見ひ弱にも見えるのであるが、実は体質が非常に強くあまり病気などもしないのである。その富田が手伝いを休むぐらいの体調不良というのは何か悪い病気の可能性も否定できない。
「ところで話は変わるんですけど、私ウーム発現しました」
「え、本当?先を越されたな」
料理が来るのを待っている間に結城がウームの発現について報告し、それを聞いた有村は興味深く返事を返す。自分もおそらく能力持ちであり、ウームについてはユニコーンでほぼ間違いないと予測している。後は発現するだけと思っていたが、結城に先を越されたようだ。
「で、どんなウームなの?」
「それが、見た目的にあまり好きじゃないんですよね」
興味満点で質問してきた有村に対して、少し残念気味な表情を浮かべて結城が返事を返す。
「おそらくいのししなんですけど」
こう言って結城はウームを発現させてみた。
「これは、やだな」
「でしょう?今日朝起きたら急に横に立ってたから心臓止まるかと思いましたよ」
目の前に現れたウームを見つめて有村が感想を述べ、結城が今朝初めて見た時の状況を説明した。確かに見た目的には好きになりようがない見た目である。ただ、強そうかどうかと言えば非常に強そうであるが、ウームにそれが必要かどうかもまだわかっていない。
「ランチできたよー、ってうわ!、っとっと、あぶな」
両手にランチを運んできた桑野がウームを見て非常に驚き、手に持ったランチを落としそうになった。だが何とか体制を立て直し、テーブルまで運ぶことに成功した。
「そうでしたね、桑野さんにも見えるんでしたね。失念してました。すいません」
自分たちしか見えないと思っていたので普通に出現させたが、実は桑野も見ることができることを失念したことを結城が謝罪する。この後は一応ウームを一旦体内に格納し、ランチを食べることにした。そしてランチ後の紅茶タイム中に少し体調が回復した富田がやってきたので、先程のウームの話を伝えたのであった。